BAMBOO SHOOTS MOUNTAIN JOURNEY vol.26
「甲斐の気になるお店探訪」
#01 瓦奇岳

20年以上バンブーシュートのお店に立ってきた現ディレクターの甲斐ですが、その原点とも言える実店舗の重要性を再び見直していると言います。今回からあらたに始まった「甲斐探訪」シリーズでは、甲斐が気になるお店にお邪魔していきます。第一回目は、甲斐もドンズバのミックス感ある栃木県のショップ「瓦奇岳」さん。良い意味でカオス感ある品揃えがフツーの山道具屋さんとは一線を画します。前日入りして店主の小島史郎さん行きつけの居酒屋でまずは飲みニケーション。じっくりとお話を伺いました。

甲斐:瓦奇岳さんが始まったのが4年前ですよね? だいぶ変わった名前ですよね。
小島さん:実家が瓦屋というのもあって、瓦という文字は入れたかったんです。それと自分の中で“奇妙”という感覚も大事にしていて。変なものって今の時代減ってきちゃってますよね。そういうものにこそ、面白さがあるんじゃないかと。

甲斐:でも、その変な感じに僕はハマったんだと思います。お店を始めようと思ったのはなんでなんですか?
小島さん:もともとグラフィックデザインの仕事をしていたんですが、結局、仕事をもらえないかぎり仕事がない。発注主の景気なんかにすごく影響されるんです。仕事量だったり休みだったり、自分でコントロールできる部分が少ないし、いつか破綻するんじゃないかと。それで自分で作って売る、お客さんに来てもらって直接売る、というようなスタイルの仕事をしたかったというのが大きかったです。
甲斐:WARPとかデザインしてたんですもんね。WARPというとスケート、ピスト、ヒップホップとかのイメージですけど、なんでアウトドアのお店だったんですか?
小島さん:山の世界に、自分の好きなヒップホップとかのカルチャーを混ぜたいなと思っていたのが大きいです。ストリートってワードは自分的には使いたくないんですけど、そういうものを山の世界に持ち込めないかなと。
甲斐:ストリートって自分で名乗るものじゃないですもんね(笑)。

小島さん:最初の1年くらいは、誰もお客さんが来ない日とかもあって、こりゃあ失敗したかなぁと思ったりしましたよ。
甲斐:20年くらい店に立ってましたけど、昔のバンブーもそんな感じの時、ありましたよ。ただ、自分の中で密かに自慢に思ってるのは、売上0円だけはなかったことですね。といっても、友達が来て、サーマルが1枚売れるとか、そんなレベルでしたけど。
小島さん:うちなんて、売上ゼロの日、いまだにありますよ。でも、その時になにをするかじゃないですか。だからヒマな時はオンラインの商品を充実させたりする良い時間だと、自分の中で思うようにしてます(笑)。


甲斐:実店舗って効率で考えたら、悪いですもんね。でも、僕としては、実店舗って大事なカルチャーだと思うんです。そこに行けば誰か知り合いがいるような、そういう場所があったからいろんなことを知れたりもするワケですし。
小島さん:たしかに。僕も若い頃に店から学んだことは多いです。
甲斐:でも、今って行きたいお店が都心になくなっちゃった感じがあって。昔自分が埼玉からわざわざ、通い続けてたような店はないんですよね。でも、逆に地方に行くとそういうお店がまだまだある。いわゆる個人店ですね。個人店って、ちゃんとそれぞれに表情があるというか、店主の個性がちゃんと反映されてます。そういうところを巡ることで、自分的にも学べることがあるんじゃないかと思って、この探訪企画をはじめたというのがあります。

小島さん:その第一回目、うちで良かったっすか?(笑)
甲斐:最初に来たときのインパクトがすごかったんですよ。ガチャガチャとかあるし、なんか駄菓子屋みたいでいいんですよね(笑)。この平台のディスプレイとか、僕にはできないですもん。
小島さん:自分で言うのもなんですが、フリマみたいな感じですよね(笑)。
甲斐:あと、ここで初めて見るアイテムもいっぱいある。「無差別 山 boy killer」とか、ブッダブランド好きにとっては最高でしょ。タイベックのフーディとかもスゴいセンス。こんなアイテムが山の世界にも出てきたのかって、嬉しくなりました。
小島さん:うちの転機としては「PEDESTRI」のバックパックと「The Empty Bottlers」の存在が大きかったです。イベントとかやったら行列できましたし、ちょっと自信が付きました。そんな関係性もあって、「The Empty Bottlers」さんから「Off the Grid」に誘ってもらって、タイベックのフーディを急ピッチで作って持って行って。そこでだいぶ認知された感じはありますね。

甲斐:3年前の「Off the Grid」ですよね。インパクトあったんでよく覚えてます。「Off the Grid」と言えば、4/11、12の「Off the Grid」に、うちのベースボールTeeの瓦奇岳別注バージョンも出してくれるんですか?
小島さん:もちろんです。かなり良い感じのパープルカラーにしていただいて、めちゃくちゃうれしいです。このベースボールTeeにかぎらず、甲斐さんの作る山の服ってやっぱりサイジングがすごい絶妙ですよね。山の世界にないです。


甲斐:ありがとうございます。実は良いパープルがなかなか見つからなくて、メリノウールとポリエステルという組み合わせは一緒なんですが、生地からして違うんです。でも結果、艶があって上質な感じの生地になったんで色とも合ってるかなと。あと、この生地だったら色選びの自由度はだいぶ広がりますね。
小島さん:首周りのパターンも変えてもらってますよね。
甲斐:そうです。生地を変えたとこで首回りがちょっと開いちゃう感じになったんで、見直してます。結果、着込んでいっても伸びにくくもなってます。こういうコラボをすることでこっちも勉強になることが多いです。
小島さん:うちとしては今回の「Off the Grid」の目玉です。

甲斐:このプリント(無差別 山 boy killer)入れられないですかね?(笑)
小島さん:やるとしても、セカンドロットくらいからにしません?(笑)。こっちからも質問、いいですか?
甲斐:どうぞ。
小島さん:今後、バンブーシュートとしての甲斐さんのビジョンとかってどんな感じなんですか? 僕としては山で使える服をどんどん出して欲しいなと思っているんですが。
甲斐:自分が知ってる昔のアウトドアのものやミリタリーのものを、どれだけ現代に再現できるかなっていうのはありますね。「MOUNTAIN HIKE PANTS」も形は昔の軍チノですし、股の部分にガセットがないのは「ヴァーブ」っていう昔のクライミングブランドのディティールです。自分なりのリミックスというんですかね。そういうことをもっとやっていきたいとは思ってます。
小島さん:めっちゃ楽しみにしてます。

甲斐:ちなみに、今日もサンプル持ってきたんですが「SHORT SLEEVE OPEN COLLAR SHIRTS」のロングスリーブバージョンを作ったんで、ちょっと着てみてもらえますか?
小島さん:やっぱりシルエットが良いですね。後ろから見るとコーチジャケットみたいで、自分的にはかなり刺さりますね。これでMサイズですか。自分だとLくらいがちょうど良い感じですかね。
甲斐:秋には発売予定なので、完成したら詳細ご報告させてください。

小島さん:こっちの「BSS」のストラップもヤバイっすよね。こういうの欲しかったです。意外とないんですよね、ストラップだけ売ってるって。カメラストラップにもなるし、サコッシュにもなる。組み合わせが自分で選べるのが良いっすね。
甲斐:逆にこういうの作って欲しいとかありますか?
小島さん:やっぱり、山の文脈にない商品ですかね。うちもずっとそういうものを探しているので。甲斐さんだったら、そういうものを作っても文句言われなそうじゃないですか(笑)。うちみたいな、変な新参者の壁になってほしいです(笑)
甲斐:がんばります!

■瓦奇岳
〒328-0072栃木県栃木市嘉右衛門町3-9
TEL: 080-9512-8155
11:00〜18:00(火曜日・水曜日 定休)
https://kawarakidake.com
Text/Takashi Sakurai