BAMBOO SHOOTS MOUNTAIN JOURNEY vol.27

PARAPACKの2人と行く
富士山尽くしの2DAYトリップ

 

 

 

バンブーシュートで取り扱っているParapack。カリフォルニアのヘッドウェアブランドですが、もっとも特徴的なのはパッカブルになるところ。しかもクシャッと丸めるのではなく、綺麗に畳めるようデザインされていて、畳めば手の平サイズ。ほかに類を見ないギミックを備えたヘッドウェアなんです。

先日行われたOff The Gridでも大盛況。Off The Gridにあわせて来日していたParapack創業者であるイアンさん、ジェイ・ユーさんご夫婦と12日のキャンプ&ハイクを楽しんできました。

 

「とても美しい日だね」

集合場所である浅間神社でイアンが笑顔を見せます。

たしかにTHE DAYと言いたくなるほどの快晴。雲ひとつありません。

日差しも強いので、絶好のParapack日和でもあります。普段あまり帽子を被らないという甲斐も、この日はParapackのキャップを着用しています。色とりどりのParapackが並ぶと、とても楽しげな雰囲気。やはりギアはこういう風に気分を上げてくれるものが一番です。

 

 

 

 

 

まずは浅間神社にお参りしてから遥拝所へ。30分ほど山道を登ります。が、めっちゃ観光客で賑わっています。なかにはサムライのコスプレをした人も(笑)。
入場料もとられるし、どこかやれやれ感もあるんですが、手前に鳥居、後ろに富士山という組み合わせは確かに映えます。

そういえばParapackを畳んだときの形も富士山に似ているなあとか思いながらみんなでパシャリ。

 

 

 


 

 

次に向かったのが、富士吉田の商店街。
昭和レトロ感ただよう良い雰囲気で、甲斐もなんどか飲み歩いたことがあるそうです。

そんな甲斐のすすめで入ったのが「桜井うどん」。ローカル御用達の激シブなお店で、具はキャベツとお揚げのみというクラシックスタイルな吉田うどんをいただきます。
自分が海外に行ったときにも思うんですが、やはりこういうローカルな店こそ、その土地の雰囲気を感じるのに最適な場所です。
ここにあった手作り生七味をジェイ・ユーさんがとても気に入ったらしく、食後は「道の駅なるさわ」立ち寄って、お土産としていくつか購入。

ジェイ・ユーさんはルーツが台湾ということもあって、ヘルシーな日本食と相性が良いようです。

 


 

鳴沢氷穴を軽く冷やかしたあとは、すぐそばにある青木ヶ原樹海を散策。
樹海というと昭和世代だと、ちょっとオソロシイ場所というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実はとっても豊かな森。さまざまな種類の木々と苔観察を楽しむことができます。
イアンさんも、ジェイ・ユーさんもこの美しい森を気に入ってくれたようです。

 

 

 

 

 

せっかくなので、ここでParapackの撮影会。それにしても見れば見るほど独特な構造です。

「このツバのパーツって、どこにもないだろうし、完全オリジナル。作るの大変だろうな」と甲斐も感心しています。おそらくコストもかかります。

「この形になるまでには、50個以上の試作品を作りました。折り畳みすぎても形が悪くなるし、そこのバランスを取るのがとても難しかった。畳んでも開いても美しいものを作りたかったんです」と、最初のプロダクトであるP-CAPを手に取って、イアンさんが説明してくれます。

「一見、奇抜に見えるんだけど、身につけてみるとしっくりくる。僕が大好きなヴァーブのクライミングパンツとか、名作が新しく生まれるときってだいたいそうなんですけど、Parapackも同じ雰囲気がありますね」と甲斐。

 

 

 

 

 

さきほどからジェイ・ユーさんはスタイリングに夢中です。いろんなところにParapackを置いたりぶら下げたりしています。

「みてみて。キノコみたいでしょ」。ジェイ・ユーさんが嬉しそうに言います。

並べられたParapackのキャップたちは、花のようにも見えるし、止まっている蝶にも似ています。自然界によく馴染む色味とデザインなんです。

彼らはファンクションを突き詰めた結果のデザインだと言いますが、そういえば自然界ほど機能美に溢れている場所はありません。お互い機能性という共通のゴールを目指しているから、不思議なシンクロが生まれているのではないか。そんなことを思うわけです。

ファンクションを追求すると美しくなるのはプロダクトも自然も一緒、なのでしょう。

 


 

夕食は正直迷いました。2人が住んでいるのはサンフランシスコ。日本食レストランも豊富にあるエリアです。クラシカル系は吉田うどんで満喫してもらったので、さて……。ということで向かったのは回転寿司。やはりこのギミックが楽しいようで、どんどん注文する2人。納豆にハマったようで、各種納豆巻きも美味しそうに食べています。どうやら2人ともヘルシー系の料理が好きなようで、出汁の文化にも興味津々。次はしゃぶしゃぶ屋さんを案内するのも良いかもしれません。

 


 

キャンプ場に着くころには、すでにあたりは真っ暗。美しい星空が広がっています。ここからは、まったりと語りながらの焚き火タイム。

もともとイアンさんは、大手バッグブランドでデザインを手がけていた経験があると言います。

実は、前々から気になっていたことがありました。Parapackのギミックを思い付いたなら、他のプロダクト、それこそバッグなどを作ったりはしないのか、ということ。

「実は試作したこともあるんです。でもバッグを作るのって、かなり大きなプロジェクトになってしまいます。初期投資も巨額になってきます。いまの段階でそこに手を出すのではなくて、ヘッドウェアにこだわるべきだと考えています」

どこまでも物作りに対して真摯な姿勢のイアンさん。

「でも、いつか作ってみたいよね」とジェイ・ユーさんがイタズラっぽく笑います。

彼らが作るバックパック。たぶんあっと言わせるギミックが詰まった楽しいものになるはず。期待感しかありません。

 

 

さて、翌日はハイキングです。この日も晴天。キャップが手放せない1日になりそうです。フィールドで使ってみることで、パラパックは見た目の美しさだけでなく、機能も高いことがよく実感できます。

最初に気付くのは抜群のフィット感。通常のキャップと違って、全体で締めるから圧が均等にかかって窮屈さがまったくないんです。

「誰にでもフィットするものを作りたかったの。後ろだけで締めると頭の形によっては合わなかったりするでしょ。でもParapackは、キャップの外周にドローコードを回しているから、どんな頭の形にもフィットするのよ」と、ジェイ・ユーさん。

 

 

 

 

Parapackという名前がしめすとおり、パラシュート由来の超軽量素材を採用しているので、とにかく軽いんです。だから畳んだ状態でバックパックにぶら下げてもまったく気になりませんし、アクセサリーのような見た目なので、個性を出すアイテムとしても良いんです。

「畳んだ状態からパッと開いた感じもパラシュートみたいで良いでしょ?」とジェイ・ユーさんが、実際にキャップを開いてみせてくれますが、たしかに驚きがあって楽しいギミックです。

 


 

この日のルートは、三ツ峠登山口から入って、大幡八丁峠へ。そこから大幡山、茶臼山、御巣鷹山のピークを踏んでふたたび三ツ峠登山口に戻ってくるループトレイル。

ずっと富士山が追いかけてくる絶景コースですが、茶臼山を越えたあたりからは、かなり傾斜もキツくなってきます。気温もやや高めでしたが、イアンさんもジェイ・ユーさんもぐんぐん登って行きます。

 

 

 

 

 

途中でジェイ・ユーさんがアメリカで買ってきたというトレイルミックスをくれたんですが、これがめちゃくちゃ美味しい!

「アメリカのトレイルミックスってぜんぶ甘すぎて。最後に行き着いたのがこれなの」

こちらはお返しに、亀田のカレーせんべい。微妙かなと思いましたが見事にヒット。やはりスパイスの美味さは全世界共通なのかもしれません。

 


 

 

2人とも、とにかく楽しそうに山を歩きます。それに感化されたのか、甲斐がいつもは見せないような全笑顔で斜面を駆け下りていきます。その様子がジェイ・ユーさん的にヒットしたらしく、SNS用になんども動画撮影をして、大喜びしています。甲斐もノリノリですっかりキャラ崩壊気味。

グルッと周回して約9km。ほどよいアップダウンがあるし、富士山の眺望も文句なしの良コースでした。

 

 

 

 

下山後は車で少し行ったところにある天下茶屋へ。これぞジャパニーズ・トラディショナル・カフェ。雰囲気のある日本家屋でいただく、野菜とキノコたっぷりの熱々のほうとうが染みわたります。

もうすぐ芽吹きそうな薄桃色の蕾たちと、真っ青な空に白く輝く富士山。穏やかな2人の雰囲気と、日本の春の山がとてもマッチしていました。

「次はアメリカかな?」と甲斐がポツリ。イアンさん、ジェイ・ユーさんの2人はオレゴン州ポートランドでおこなわれるPCT DAYSに参加予定とのこと。PCT DAYSといえば、アメリカのハイカーやハイキングブランドが一堂に会するイベント。これはもうBambooShootsとしても、行くしかないでしょう!

 

 

Photo/ Hinano Kimoto

 

 

Text/Takashi Sakurai