BAMBOO SHOOTS MOUNTAIN JOURNEY vol.34

「甲斐の気になるお店探訪」
#04 道がまっすぐ

20年以上バンブーシュートの店頭に立ってきた甲斐が、自身が気になるショップを訪ね、その店の人や空気感、そこに流れるカルチャーに触れていく「甲斐の気になるお店探訪」。

今回訪れたのは、山梨県甲府市にある「道がまっすぐ」。トレイルランニングにどっぷりハマり、100マイルレースにも50回近く出場している小山田隆二さんが営む、トレイルランニングに特化したショップです。走ることにストイックな一方で、どこかルーズで、サーフショップやスケートショップにも通じる独特の空気がある、いかにも甲斐好みのお店です。

小山田さん:甲斐さん、けっこう走ってますよね。それが僕的にはかなり嬉しいんですよ。

甲斐:いやいや、小山田さんに比べたら走ってないに等しいですよ。

小山田さん:僕は走ること以外、なんにもできないんですよ(笑)

甲斐:唯一無二のお店やってるじゃないですか。ここまでトレイルランニングに振り切ったお店って他にないと思います。ちなみに小山田さんがトレイルランニングを始めたきっかけって?

小山田さん:もともとサッカーをずっとやっていて、その世界で食っていくと思っていたんですけど、ある出来事がきっかけでサッカーから離れたんです。それまでサッカーしかやってきてませんから、途端にやることがなくなっちゃって。もちろん仕事はやっていたんですが、それだけで生きるようなタイプでもなくて、なにか自分の中に熱が欲しいというか。そんなときにたまたま見た雑誌に、リュックサックを背負って山を走ってる写真があって、それを見た時に「面白そう!」と直感的に思ったんですよね。

甲斐:それっていつぐらいの話ですか? 

小山田さん:2009年くらいだったと思います。まだトレイルランニングという言葉もそこまで浸透してなかったんじゃないですかね。で、その雑誌を見た直後に、山に向かって走っていったという(笑)。

甲斐:ヤバイですね(笑)。

小山田さん:登山なんかしたことないですからね。山梨の自分の家からとりあえず雑木林みたいなとこに行って走ってみたら、地面の感触とか音とかが良くて「コレだ!」と。

甲斐:だいぶ変わった入り方ですね。てっきり石川(弘樹)さんの影響とかがあったのかと思ってました。

小山田さん:それは、始めた後ですね。山梨といえば、山本健一(ヤマケン)さんもいますけど、当時はまったく知らなかったです。トレイルランンニングを通じて、そういうトップランナーと交流していく中で僕の中の意識も変わっていったところはありますね。始めた頃は、自分が毎日走るなんて思ってなかったですから。 

甲斐:いまでは50回近く100マイルのレースに出てるんですもんね。僕はトレイルランニングはレース経験とかもまだまだなんですけど、相当ハードですよね。

小山田さん:続けるっていうことが僕の中でのひとつのテーマなんです。サボりがちな人間なんで。でも甲斐さんも毎週中目黒でみんなで坂練したりとか、かなりやってますよね。

甲斐:ノリで始まったのが、ずっと続いてるって感じですけどね。しかもあれ、バンブーシュート集合・解散なんで、僕が行かないと始められないっていう縛りもあるんです(笑)。

小山田さん:走って変わったこととかあります?

甲斐:ビールが美味くなりました(笑)

小山田さん:そこですか!?(笑) でも、走ることってストイックに捉えがちですけど、やっぱり楽しくっていうのが大切ですよね。トレイルランニングのレースにしても、仲間でワイワイ旅行にいく、みたいな感じもあるじゃないですか。

甲斐:小山田さんと最初にお会いしたときに空気感合いそうだなって思ったのは、そういうところかもです。お店の雰囲気も、どこか不良っぽくて好きですね。店の裏のグラフィティとかめちゃくちゃ格好いいですよね。

小山田さん:神山(隆二)さんが酔っ払って描いてっちゃうんですよ(笑)。

甲斐:すごい贅沢ですねえ。トレイルランニングって、普通のマラソンとくらべて、カルチャー感がありますよね。

小山田さん:僕は、ちょっとサーフィンっぽさがあるのかなと思っています。

甲斐:それは小山田さんのお店作りにも出てますよね。

小山田さん:特別なお店というより、日常的に立ち寄りたくなる場所というイメージです。サーフショップとかで1日中話だけして帰って行く人とかいるじゃないですか。それのトレイルランニング版というか、そういう空気感です。

甲斐:そういう空気感、大事ですよね。僕がバンブーに立ってた時も、ただ話をしにくる人とか、逆に嬉しかったですもん。

小山田さん:僕がレースに出てるときって、当然店は閉めるわけなんですが、レースに出たからってお金になるわけじゃない。でもその感じが「波が良いから、店閉めてサーフィン行っちゃう」的なものに近いのかなと。

甲斐:トレイルランニングってストイックな世界だと思うんですが、「道がまっすぐ」は、そういう世界の中にあって、良い意味でのルーズさが表現されたお店だなと思います。

小山田さん:本当はトレイルランニング特化じゃなくて、登山系のものとかも置いたほうが良いとは思うんですけどね。僕自身が登山ぜんぜんしないのに、自分が知らないものを置くのも、なんだかなと。

甲斐:ディスプレイも格好いいです。ゼッケンとか、アートとかが雑多にある感じで、どこかスケートショップのような。品揃えも絶妙ですよね。絶対あるだろうっていうものはキチンとあるんですが、その中に「こんなのあるの?」っていうアイテムが混ざってる。そういう宝探し的な要素は、ネットでは出せないと思うんです。

小山田さん:甲斐さんにお店のことを褒めてもらうのは、畏れ多いです(笑)

甲斐:いやいや。いろいろジャンルを広げるんではなくて、ちゃんと自分が好きなものだけに絞るという姿勢。あれもこれもじゃなくて、ひとつをしっかり掘り下げていけば、それってお客さんにも伝わるんですよね。勉強になります。

甲斐:スリーピークス八ヶ岳トレイルのアタックライン(24km)には2年連続で出させてもらいましたが、あれのコースディレクターは小山田さんですもんね。

小山田さん:もともとが、ここを走ってもらってトレイルランニングを好きになってもらいたいというビギナー向けのコース設定なんです。だから、甲斐さんにはあまりタイムとか気にせず、時間いっぱい使って走ってみて欲しいですね。

甲斐:雰囲気とかもレースっぽさがちゃんとあって楽しいです。 

小山田さん:いつか、甲斐さんもどうですか? 100マイル。僕、サポートしますよ。

甲斐:いやぁ〜、興味はあるんですが、160kmってどこまで行くんだっけなあとか考えちゃいます。

小山田さん:ここ(甲府)からだとディズニーランドですね(笑)

甲斐:ヤバい(笑)



 

■道がまっすぐ

400-0031山梨県甲府市2丁目26-8

TEL:055-269-5397

営業時間:12:00〜19:00(日曜・祝日は18:00まで)

定休日:水・木曜日(ただし祝日の場合は営業)

https://michigamassugu.jp/



Text/Takashi Sakurai