【白根三山テント泊縦走】標高3000m稜線漫歩
こんにちは、BAMBOO SHOOTSスタッフの坂本です。
8月の連休が終わり、人が少なくなるタイミングを見計って南アルプスでテント泊縦走してきました。日本第2位の高峰である北岳を主峰とする白根三山を1泊2日で縦走する予定が、当日思わぬアクシデント。甲府へ向かうバスが事故渋滞で大幅に遅れ、登山口に着くのが14時となってしまう…。そこで急遽、登山口から近い白根御池小屋のテント場を予約して2泊3日で行くことにしました。
今回は色々試したいアイテムや菌類観察をしたい目的があって、久しぶりにゆとりのある山行となり結果的に大正解。のんびりと静かなアルプスを満喫できました。〈行程〉
−1日目−広河原→白根御池小屋(コースタイム2時間35分)
−2日目−白根御池小屋→大門沢小屋(CT12時間40分)
−3日目−大門沢小屋→奈良田(CT3時間30分)渋滞に巻き込まれたバスが甲府駅に着いたのは10時過ぎ、次の広河原行きのバスは正午発で時間にかなり空きがある。日数増えた分の食料を駅の近くのスーパーマーケットで調達し、その後お気に入りの喫茶店でモーニング。実はここ、ネルで淹れるコーヒーは勿論、夜だけ出してる餃子も美味しいのです。
甲府駅から広河原までバスの乗車時間は2時間あり、広河原へ着いたのは14時。朝新宿を発ってからここまで実に7時間の長旅となりました。
広河原山荘は昔の雰囲気も素敵でしたが数年前に建て替えられて見違えるように綺麗です。この時点で既に登り始めには遅い時間なので、バスを降りてすぐに登山口へと進む。今回試したかった物の一つは、山と道『Light 5-Pocket Wide Pants』名品5-Pocket PantsとLight 5-Pocket Pantsがワイドになって新登場。私たちスタッフもとても楽しみにしていたアイテムで、早速山で使用してきました。夏でもロングパンツ派の私にとって『Light 5-Pocket Pants』は最も使用頻度の高いアイテムの一つ、それだけに期待値は高い。

カラマツ林や亜高山帯針葉樹林によく発生する、香りと食感が素晴らしい大変美味しいきのこ。ブーケみたいでかわいいですよね?登山口から僅か1時間で本日の目的地、白根御池小屋に到着。ここは山小屋も綺麗でテント場のロケーションも最高。
普段は暗くなるまで歩き続けビビィでビバークするスタイルばかり、アルプスのテン場でゆっくり過ごすのは久しぶりです。今回は写真右から二番目のワンポールテント、Six Moon Designs『Deschutes Plus Tarp』を幕に選んだ。広い室内空間でラグジュアリーなテント泊となりました。試したかった物三つ目はMYOG(自作)ザックの最新作。HMG『ELEVATE22』の寸法を元に欲しい機能と求めるデザインを落とし込んだ。外ポケット含め25L程度の容量で重量310gと本家より200gの軽量化。日帰りハイクでテストして、テント泊縦走では今回が初めての使用。
晩ご飯にはMOUNTAIN GOURMET LAB.『トマトと炸醤の合体麻婆飯』
今シーズンよりお湯を注ぐだけで食べられるアルミバッグに対応したMGL、美味しい山飯をもっと手軽に。炸醤の旨み、トマトの酸味、花椒と生姜のスパイシーさが見事合わさりパンチの効いた逸品。ゴロっとした厚揚げのアクセントが楽しく食べ応えもあります。テン場でゆっくり過ごす時間がより贅沢なものに感じられますよ。
この日の夕方は気温15℃くらい、メリノウールのベースレイヤーにオクタのカーディガンを羽織って丁度良く、暗くなるまで外で本を読みテントに戻って眠りに就いた。周りに人がいるテント指定地で眠る安心感、ステルスや野宿と違って変な緊張感がなくて普段より早く眠れた気がします。2日目、バットレスへ向かうであろうクライマー達のガチャの音で目が覚めた。お湯を沸かして白湯だけ飲み、仄暗い中で目を凝らしながら幕の撤収。
ヘッドライトを点けて歩くも、間も無く鳳凰から昇る朝日に照らされてすぐにこれをしまった。空は晴れ穏やかな1日の始まり、これから歩く3000mの稜線では絶景が広がっていること請け合いで、はやる気持ちを抑えながら草スベリの急登を一歩一歩登って行きます。短い距離で一気に700m標高を上げる草スベリは白根三山きっての急登、ここで『Light 5-Pocket Wide Pants』の歩きやすさに感動を覚えました。
ただワイドシルエットになっただけではなく、山と道が歳月かけ開発したパターン、足元はダーツを入れスッキリしていて、変にダボつくことなく足さばきが良い。ワイドパンツに危惧される引っ掛けのリスクも少ない。足上げの軽さ、パーテックス・イクイリブリアム素材元来の軽さも相俟って、ありきたりな表現ですが穿いているのを忘れてしまう程に軽い。ワイドな分重たい筈なのに『Light 5-Pocket Pants』よりも軽く感じる履き心地です。唯一気になった点は、腿が太くなったことによってスマホポケットにスマホを入れると少し暴れる感覚があること。生地が厚い『5-Pocket Wide Pants』の方なら気にならないかもしれません。
トップスに着ているビッグシルエットなBAMBOO SHOOTS『MERINO WOOL 1/2 SLEEVE BASEBALL TEE』同様、ウェアの中に空気を孕んで一挙一動の度に換気されていく感覚ってこんなにも気持ちいいんだ。小太郎分岐から先はいよいよ大パノラマの稜線漫歩が楽しめます。
先ず出迎えてくれるのは何処から見ても存在感のある美しき甲斐駒ヶ岳。ここから左手に視線を移すと35mmのレンズには収まらない雄大な仙丈ヶ岳がどっしりと構えている。本来1日目にテントを張る予定だった北岳肩の小屋。泊まっていた人達は雲海から昇る朝日を拝めて最高の朝だったことでしょう…
起きてから水分しか口にしていなかったので、ここでベンチをお借りして朝食&コーヒータイム。甲斐駒は勿論、この角度から見る北岳もピラミダルな山容。右奥には地蔵岳のオベリスクも見えて、特徴的なピークの3ショットとなりました。これらをぐるっと繋げる南アルプス北部の周回コースもいつか歩きたい。
風も穏やかな絶好の山日和。人も比較的少なく静かで、歩いている人々は南アルプスの稜線歩きを心から満喫している様子でした。
間ノ岳と農鳥岳の鞍部に位置する農鳥小屋、ここには南アルプスで1番有名なトイレがあります。白根三山の中では農鳥岳の山頂標識だけが山梨の山でよく見られる串団子タイプ。
北岳&間ノ岳と2座の百名山を越え、3000m級の山を繋ぐ夢の様な稜線漫歩もここまで。北アルプスよりも森林限界が高い南アルプスでは、稜線から降るとすぐに樹林帯となります。
立派な標識の建つ大門沢下降点からは樹林帯の激降り、標高が下がるのと反比例して気温はみるみる上昇し蒸し暑い。そんな過酷な南アルプスの樹林帯も私にとってはお楽しみ、なぜならきのこたちに出会えるから。樹林帯が長ければそれだけ多く菌類と出会えます。通常この時期の亜高山帯はきのこの発生が増えて賑やかに森が彩られるのですが、今年の異常な雨不足と猛暑で林床はカラカラ。きのこは思った以上に少なくて満足な観察には至りませんでした。その中でも僅かながら亜高山を代表する2種類のメルヘン推しきのこに出会えた、美味しくて結構レアな食用菌「オオキノボリイグチ」と”THE毒きのこ”な毒菌「ベニテングタケ」その他にはダケカンバ下によく発生する「ツバフウセンタケ」にも出会えた。
きのこを見つけながら宝探し気分で歩けば、長い樹林帯もあっという間で大門沢小屋に到着。ここから奈良田まではCT3時間、まだ次のバスに間に合う時間で下山するか迷いました、でも食料には余裕があるし何より猛暑の下界へ降りるのが億劫…
もう一泊すると決まれば話は早い。山小屋で買ったコーラを一気飲みしてテントの設営、ついでにシュラフを干しておきます。早めのご飯を作りながら隣にテントを張っていた九州からお越しの二百名山ハンターの方と暫し談笑。ニッチな山の趣味が合い盛り上がります。
晩ご飯を食べてもまだまだ明るい、けれど持ってきた宮本常一の本は昨日読み終えてしまったので、手持ち無沙汰で早くも床に就いた。大門沢小屋から奈良田までのトレイルは巨樹が多く、南アルプス屈指の美しい森が広がっています。3日目は行動時間が短い分、苔や菌類の観察をしながら森林浴気分でゆっくりと。早く降りてもバス来ないし…
この植生ではチチタケやハナホウキタケ等の菌類に出会え、何回か川を渡るとあっという間に登山口に到着。ちょうど奈良田の温泉施設が開く時間に下山できて、バスに乗る前に汗を流しました。自分の身体に合わせて作った新しいMYOGザックはすこぶる調子よかった。
奈良田発のバスに乗って下部温泉で途中下車、三日間お風呂に入れなかったことの遅れを取り戻すかのように本日二回目の入浴をする。湯上りにかいた汗を乾かしながら閑散とした温泉街を少し歩いた、冷たい飲み物を求めて入った駅前の土産物屋で信玄餅を買って東京へ帰った。
〈終わりに〉
最近は自作したザックでお越しのお客様もたまにいらっしゃり、私はまだまだ初心者なのでMYOGについて聞かせていただけると嬉しいです。自作すると改めて既製品の良さや質の高さ、作り手の哲学に驚かされます。
そして今回使用した山と道『Light 5-Pocket Wide Pants』は9月にもう一度入荷があります、軽くて足さばきの良いパンツをお探しの方は試してみてください。『5-Pocket Wide Pants』も入ってきますので、厚手の生地がお好みの方はこちらも是非。
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