【台高山脈ハンモック縦走】日本でいちばん山深いところ〈後編〉
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<3日目>
縦走3日目。この日は名だたるピークも明神平のような開けた場所も無く、おまけに電波も踏み跡もあまり無い、ひたすら無人の樹林帯でアップダウンを繰り返す、静かな一日。







<4日目>




これまでのワイルドな破線ルートから打って変わり、観光地と化した大台ヶ原の木道を軽快に歩いて先へ進みます。




ハンモック泊最後の夜、気持ち良く入眠する間際に天気が荒れ始め、翌朝まで強烈な風が吹き続けました。あまりの強さにタープのループが破断してしまい、頭上で暴れ狂うタープ。それを鬱陶しく思いながら、とにかく早く夜が明ける事と風による落枝が無い事を願いながら、眠れぬ長い夜を過ごしました。
<5日目>




今回のトレイルを含めると紀伊半島を累計1300km歩いたことになる。でもまだまだ歩きたい道や訪れたい場所が沢山あるんですよね
尾鷲道は、尾鷲辻から古和谷まで有志団体によって標識とピンクテープが付けられ非常によく整備されています。
沢へ降る前にはこんな立派な看板も。大台ヶ原と尾鷲を結ぶ古道尾鷲道、その存在を知ってからずっと憧れていた道なのもあり、歩き終えてしまうのが実に名残惜しい…
沢に出てからはピンクテープも踏み跡も消え、ルートを見極めながら沢の渡渉を繰り返して降って行きます。釣りキチ小僧だった私は岩陰からたまに走る岩魚の魚影が気になって仕方ありません…
尾鷲道は大台協会への参詣道として整備され、その後は木材搬出の為に活用されていました。森林鉄道のレールも未だ残っています。鉄道遺構が出てくる辺りから道は明瞭になるも、朽ちかけの橋を複数回渡るのでまだまだ気は抜けません。
最後に長い林道を歩いてあっという間に尾鷲の街へ。今回は市街地を南下し、海に出ることをゴールとしたので、まだ少しだけ歩きます。途中、立派な楠の御神木がある尾鷲神社にご挨拶。
尾鷲市街地にはちょうどお昼頃到着し、ゴールが待てずに気になっていた喫茶店で腹ごしらえ。純喫茶天国でもある紀伊半島、こちらも素晴らしい雰囲気のお店でした。お店のお母さんが「今日の日替わりランチはメンチカ…」と言い切る前に食い気味に「それでお願いします!」と答える。五日ぶりに食べる血の通ったご飯が染みました。ボリューム満点なメンチカツ定食は650円。ご馳走様でした。









…今から7年前、吉野山から那智の海を目指し、大峯奥駈道と中辺路を150km歩いた経験が紀伊半島にのめり込むきっかけでした。”熊野三千六百峰”と称され無限にも思われる深い山々。一方、果てが無いようにも思われる熊野灘の彼方に、中世の人々は浄土を見出し”補陀落の海”と呼んだ。日本最大の半島である紀伊半島の自然は底が見えない程に深い。先人たちはそれを畏れ敬い、熊野特有の信仰世界を構築した。現代の私は歩くという行為を通してその深さを実感しています、今回も5日間のハンモック泊縦走で紀伊半島の自然を存分に満喫することができました。
<終わりに>


シューズはALTRA『LONEPEAK9+』詳細は是非ファーストレビューをご覧ください。不明瞭な登山道で5日間連続使用するに、履き慣れたLONEPEAKはやはり安心感があり、後半の沢ではそのグリップ力が頼もしかった。9+ではアッパーの強度が向上し、裏地の構造が変わった影響か、私が履いてきたLONEPEAK歴代モデルと比べて少々蒸れやすさを感じました。上の写真は台高山脈を歩き切り、累計300km以上歩いた状態での一枚。特筆すべきは、今まで200kmも歩けば踵の内側が擦り切れていたのに対し、9+では全くダメージが見られない点。そしてVibramMegagripに変わったソールは明らかに摩耗しにくくなりました。テクニカルなルートを除いたULハイキングにおいて最もオススメな一足。今回のアップグレードでよりクオリティが上がりました。
BAMBOO SHOOTS実店舗では、GW期間の5月6日までLONEPEAKとOLYMPUSの試し履きイベントを開催中です!メンズ・ウィメンズモデル共に各サイズご用意しておりますので、この機会に是非お気軽にご来店ください。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
坂本
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