BAMBOO SHOOTS MOUNTAIN JOURNEY vol.14

Bamboo Shoots  TRIAL
#01 ウィンドシェル  

 

 

 

 

おかげさまで好評を得ている、バンブーシュート・ディレクターの甲斐が作っている山の服ですが、現在新商品を鋭意開発中です。どんな風に商品のアイデアって出てくるんでしょう。甲斐の頭の中では新しいウィンドシェルの構想が出来上がっているようですが、ちょっと覗いてみましょう。

 

甲斐:いま考えているのは薄手のウィンドシェルなんですよ。最初は長袖のシャツもいいなあと思ったんですが、世の中に良いシャツがすでにたくさんあるから、そこをやる必要はないかなと。

 

−やっぱりシルエットはハイキングパンツ同様のダボッと系ですか?

  

甲斐:そうですね。風でバタつくから、そのあたりのバランスは大事ですが、昔あったゴーライトのウィンドシェルとか、ムーンストーンの中綿ジャケットみたいな絶妙な野暮ったさが欲しいですね。

 

−生地感はどんなイメージなんですか?

 

甲斐:ぎりぎり透けるか、透けないかくらいの厚さをイメージしています。マウンテンハイクパンツより少しだけ薄い感じです。

 

−フードは無いんですね。

 

甲斐:ウィンドシェルでフードって、なんか相反する要素な気がするんですよね。風が強いときは邪魔になるし、保温したいんであれば中にフード付きの、ウールやアルファダイレクトのインナーを着たほうが良いと思うんです。だから、往年のスタンドカラーです。

 

−フロントはダブルジップにしてありますが、これの狙いは?

 

甲斐:しかも、かなり長めに設定しています。そうすることで、ベンチレーションのバリエーションも出せるかなと思ったんです。風抜けでいうと、背中の上のほうだけメッシュにするとかも考えたんですが。

 

−わざわざハーフジップにしているのはなにか理由があるんですか? これも定番のウィンドシェルだと脱ぎ着を頻繁にしたいからフルジップが主流ですが。

 

甲斐:お腹に大きいポケットを付けたかったんですよ。そうなるとフルジップだと難しい。ポケットの形状も結構迷ったんです。昔のウェアで真横にジッパーが入ったドラ○もんのポケットみたいなのがあって、それも良かったんですが、ハンドウォーマーポケットっぽくしたくてカンガルーポケットにしました。ちなみに、ジッパーポケットとの2重構造もいいかなと思ってます。欲を言えばパッカブルにもしたいです。

 

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−他にデザイン的な特徴で言うと?

 

甲斐:袖と裾はパイピングでシンプルに。袖は腕まくりもできるくらいのゆったりめにしたいですね。あとは袖とか後ろに、バンブーシュートロゴを入れたいです。これは刺繍かリフレクターか迷うところですね。今回のは女性にも来て欲しいというのもあってサイズ展開はMLで考えています。

 

−カラーが白というのも意外でした。

 

甲斐:もちろん白以外も作りますが、白は絶対に入れたいです。そもそも、このウィンドシェルを作りたかったのが、日焼けしたくないから薄手のウィンドシェルを着る、という話を聞いたからなんです。だから光を反射する白で、しかもUVカット機能も付けたいですね。真っ白というよりは、ちょっとくすんだ白ですかね。映画のインターステラーの宇宙服をみたときに、ちょっと汚れた白って格好いいなあと。秋冬のハイキングパンツもいま生地を考えていて、うすいシルバーグレイとかもカラーで入れる予定で、このウィンドシェルと合わせて全身ホワイト系コーデも良いんじゃないかと思ってるんですよね。雪山以外だったら視認性も高いですしね。昔のシークェルってブランドのカタログがあるんですが、真っ白のコーデがあって、それがすごく格好良かったというのも大きいですね。ちょっと近未来感もありますし。

 

 

illustration

竹内 大介 Daisuke Takeluchi a.k.a. daisketch

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櫻井 卓 TAKASHI SAKURAI