BAMBOO SHOOTS MOUNTAIN JOURNEY vol.23
Bamboo Shoots Mushroom Club

ハイキングはもちろん、最近ではトレイルランやロゲイニングにも夢中。どんどん外遊びが多様化しているバンブーシュートディレクターの甲斐ですが、今回はキノコ狩りに挑戦。「タケノコじゃないんかい!」というツッコミもありそうですが、BambooShoots Mushroom Club結成です。

向かったのは富士山須走口五合目。「え、 富士山?」と思うかもしれませんが、実は富士山って五合目付近までは深い森が広がっているんです。そうなるとキノコがニョコニョコするにも最適なエリアということで、このあたりはキノコLOVERたちが集まるホットスポットでもあるんです。
小富士で眺望を楽しんだ後は、いよいよ森へと入っていきます。今回のキノコ先生はバンブーシュート・ショップスタッフの坂本こと坂もっちゃん。プライベートでも各地へキノコ採集へ行くという好き者です。趣味は遊郭跡や昭和を感じさせる銭湯巡りという「人生何周かしてそうよね」という人物でもあります。若干28歳。

さて、そんな坂もっちゃんの導きによってキノコを探していきますが、今回の狙い目はハナイグチ。汁ものや炒め物、和え物などに適した美味なるキノコで、判別も比較的容易なのでキノコ入門編としても最適なんだそうです。
「キノコなどの菌類は地下で複雑なネットワークを築いていて、それによる窒素の固定や化学物質のやり取りが森を支えているという説も有力になってきています」という、坂もっちゃんの“人生何周かしてるだろ”的な解説を聞きながら、ウロウロすること数十分。
いましたよ! テカリ輝くハナイグチ。一度見つけてしまえば、キノコEYEになってくるようで、大量のハナイグチをゲット。そして、「コレはハナイグチじゃないけどなんだろ?」と、収穫してみた茶色のキノコの姿に坂もっちゃんが「本ポルです!」と興奮の声を上げます。これはヤマドリタケというキノコで、いわゆるポルチーニ。イタリアではキノコの王様としてマツタケをしのぐ人気を誇っているそうです。
「今日、これ1本で終わりにしても良いくらいの収穫ですよ」と坂もっちゃん。その後は過去にマツタケをゲットしたことがあるというエリアまで足を伸ばしてみますが、残念ながらゲットならず。


そろそろ、みんなのキノコ籠はもうパンパン。一度五合目の小屋「山荘 菊屋」さんに戻って、鑑定してもらうことにします。小屋では有志の方がキノコを選別してくれる(お礼としてなにか小屋で注文してくださいね)んですが、どうやらなかなか優秀な成績のようです。

ハナイグチを筆頭に、ヤマイグチ、タマゴタケ、ホウキタケ、クロラッパタケ、オニナラタケ、シロヌメリイグチ、キノボリイグチ、アンズタケなどなど、なんと20種類もの食用キノコをゲットすることができました!
ちなみに○○ダケと名前が濁るキノコはキハツダケのみ。他は○○タケと濁らないんですって。以上、坂もっちゃん豆知識でした。
食べられるキノコというのは実はすごくたくさんあって、スーパーなどに並ぶのはほんの一部。食用だけでも約100種類のキノコが存在するそうです。奥深しキノコワールド。
ちなみに、山荘菊屋さんでは豊富なキノコメニューも用意されているのでぜひ。甲斐はキノコ汁を注文してましたが、ほかにもキノコ炒飯、キノコパスタなど、どれも美味です。
キノコ狩りがエキサイティングだったのはもちろんなんですが、なにせ森歩きが楽しい。まさに「DEEP IN THE WOODS」の世界感。目的地もなく、時速1kmに満たない速度でゆ〜っくりと静かな森を彷徨い歩くという新たな楽しみも発見できたキノコツアーでした。
ちなみに、ゲットしたポルチーニはリゾットにしていただきました。芳醇なポルチーニの香りと、小気味良い食感。これはクセになる。来年もまた、本ポルを求めて森を彷徨うことになりそうです。

Photo/Sota Sakamoto
Text/Takashi Sakurai