【南伊豆歩道・吉田海岸】秘境の海岸を目指して歩く旅
こんにちは、スタッフ黒田です。
先日UPした伊豆大島の旅から間髪入れずに南伊豆の海岸沿いを1泊2日でゆる~く歩いてきました。今回はその模様をお届けします。

今回の旅の舞台は、静岡県松崎町から伊豆半島最南端の石廊崎までをつなぐ約50kmの南伊豆ロングトレイル。1泊2日で、のんびりとセクションハイキングを楽しんだ。
伊豆半島最南端の石廊崎から歩き始め、南伊豆の秘境と呼ばれる吉田集落の海岸で1泊。翌日は、妻良港付近までゆったりと歩き、バスで下田へ戻るという、通常とは異なるのんびりとした行程となった。
スタート地点の石廊崎オーシャンパークは、数年前に完成したばかりの非常に綺麗な施設。少し早めの昼食をとり、石廊崎灯台からの絶景を眺め、石室神社に参拝を済ませて、本日の行程がスタートした。
DAY 1




石廊崎から吉田海岸までの道のりは、海沿いの舗装路、昔の人の営みを感じる古道、勾配のあるトレイル、太平洋の絶景が広がる切り立ったトレイルなど、バリエーション豊か。景色が次々と変わり、一度も飽きることなく歩くことができた。
歩いている人は少ないものの、トレイルは非常に綺麗に整備されており、道標やルートマップも至るところに設置されている。また、清潔に維持管理された公衆トイレも多く、安心して歩けるのも魅力だ。
唯一の注意点は、石廊崎~吉田区間には商店や自動販売機がほとんどなく、補給が難しいこと。水や食料は多めに持参することをおすすめする。



南伊豆の魅力的なビュースポット、千畳敷。
太平洋の青い海を背景に広がる大きな岩盤と、長い年月をかけて打ち寄せる荒波によって浸食された岩畳は、まさに絶景。「畳が千畳敷けるほど広い」ことから名づけられた通り、雄大な景色を楽しむことができる。
記載容量は28Lだが、メインポケットとは別に外部ポケットだけでも約10Lの容量があるため、実際には35L程度の荷物を積める感覚だ。
個人的な印象では、TRAIL BUM / BUMMER や 山と道 / MINI, MINI2 よりも収納力があると感じた。
宿泊装備一式に加え、通常より多めの食料や水を入れ、パックウェイトは約8kg。
ベスト型のショルダーハーネスは見た目が薄く、肩への負担が気になったが、幅がしっかりあるため重量が肩全体に分散され、意外と背負い心地が良かった。また、前面にはポケットが多数あり、小物や食料の収納にも重宝した。高い位置でしっかりと重量を安定させて背負えるため、身体の可動域が広がり、快適に旅を楽しめた。
唯一気になったのは、チェストストラップをしていない状態で背負うと、ショルダーハーネスがかなりの確率で反り返ってしまうこと。ベスト型ザックの特性上、ストラップを常に留めておく前提なのかもしれないが、景色を眺めたり休憩のたびに3点ストラップを付け直すのが少し億劫だった。
上級者向けの印象が強かったが、容量に十分な余裕があり、荷物を極限まで削らなくても安心して背負えるのがとても良かった。

今回の目的地である吉田集落は、石廊崎にある小さな集落。伊豆半島の中でも特に秘境と呼ばれる場所のひとつだ。険しい谷間に位置し、住民は10世帯にも満たない。アクセスも限られており、最寄りのバス停から徒歩約50分か、トレイルを歩いて入るしか方法がない。まさに秘境と呼ぶにふさわしい場所だ。事前情報では「電波がつながらない」と聞いていたが、現在は少なくともソフトバンクの電波は通じていた。


まるで桃源郷のような吉田集落の小さなビーチ。この神秘的な場所で、ダイナミックな自然を感じながらオーバーナイトを楽しむことが今回の目的だ。吉田集落に入ってからというもの、人の気配はまったくなく、聞こえるのは私たちの声だけ。そんなプライベート感あふれる雰囲気を楽しみながら、今夜の寝床を準備する。今回は天候が崩れる心配もなかったため、より自然と近い環境で夜を過ごしたいと思い、ビビィ泊を選択。浜辺にビビィを設置し、のんびりと夕飯の準備に取り掛かる。




各々が持ち込んだ食材で夕飯を作る。T先輩は本格的な麻婆豆腐を作っており、浜辺はスパイシーな香りに包まれた。(このあと先輩は盛大に麻婆豆腐をひっくり返し、どさくさに紛れて着ていたインサレーションの袖も大きく溶かしてしまうというアクシデントが発生。今となっては、それもいい思い出だ。)
私はこの日のために、Patagonia Provisions の新作日本酒を持ち込んだ。お店の店員さんのイチオシということで、熱燗で楽しむ。普段あまりお酒を飲まない私でも、すんなりと飲める美味しいお酒だった。日本酒を2本開けた私は、早々にビビィに潜り込んで眠りについた。
【スリーピングシステム】
ビビィ:MOUTAIN LAUREL DESIGNS / FKT E-VENT BIVY
寝袋 : ENLIGHTENED EQUIPMENT / REVELATION SLEEPING QUILT 850/ 30°F
マット: THERM-A-REST /NEOAIR UBERLITE SHORT
グランドシート : SOL / HEAVY DUTY EMERGENCY BLANKET

夜の気温は10℃をわずかに下回る程度で、風もほとんどなかった。
しかし、朝方に強い海風が吹き、気温は一気に5℃付近まで低下。それでも、スリーピングシステムのおかげで快適に夜を過ごすことができた。集落にはほとんど明かりがなく、まるで平地とは思えないほど美しい星空が広がっていた。また、月明かりが明るく、ヘッドライトが不要なくらいだった。静かで幻想的な夜を満喫できた。
DAY 2
2日目は、山歩きを楽しんだり、下田の街を観光したりするため、距離を稼がず、妻良までの短いハイキング。朝日を眺めながら、ゆっくり談笑しつつ朝食の準備をし、出発。吉田からのルートは昨日までとは異なり、より山深く、秘境感あふれるトレイルだった。

幹の太さは約4m、高さ10m、樹齢は約800年とも言われており、県の天然記念物にも指定されている。曲がりくねった枝や、皮が剥がれた幹からは、800年の歴史を感じさせる神秘的な魅力が漂っている。




さいごに

海沿いの集落と山道を交互に歩くアップダウンのあるトレイルは、歩きごたえがしっかりとありながらも、海と山の両方の魅力を存分に楽しむことができた。
加えて、静かで人の少ないトレイルは、自分たちのペースでのんびりとハイキングを楽しむことができたのも、とても気に入った点だ。今回は1泊2日で、ゆっくりとした距離を歩くような山行ではなかったが、次回訪れる際は、もう少し長く日数をとり、南伊豆の自然豊かなトレイルを満喫したいと思う。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
それでは。
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