《 岩手紀行 -序- 》焼走り溶岩流を越えて東北の名峰”南部片富士”岩手山へ
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店長の大田です。
先月末、ボクは連休を使って岩手県を訪れていました。
目的は、ふと久しぶりに東北の地に踏み入れてみたいとぼんやり思ったのがきっかけ。
ちょうど、そろそろどこかへまとまった距離のハイキングに出かけたいとも思っていたし、関東近郊以外の不慣れな土地をゆっくり堪能してみたいとも思っていたタイミングだったので東北エリアに的を絞って計画。
5月末という東北の山域では雪の状態が絶妙な時期ですが、以前より気になっていた『裏岩手縦走路』をさらに延長して安比高原まで繋げる『岩手山・八幡平・安比高原50kmトレイル』に照準を絞りました。
雪の状態次第では、別プランを用意して海岸線を歩く『みちのく潮風トレイル』をセクションハイクする計画を立ててみたり、最近ハマりつつあるバイクパッキングの計画を立ててみたりしましたが、今年は雪解けが早く残雪場所が少ないことや、雪が残っている場所も嫌な残り方をしていないという情報だったので決行することに。
結果的に残雪と新緑が入り混じる季節の変わり目の東北を、黙々と自然を噛み締めて歩いた最高の3日間となりました。
【 1日目 】
東京からの移動は夜行バス。
早朝6:00時前には盛岡駅に到着し、駅前の松屋でまずは朝食を。
今回の入山口である『岩手山 焼走り登山口』に向かうため、サッと朝食と補給を済ませて電車に乗り込む。
JR花輪線 大更駅
ここが今回計画したルートのトレイルヘッドとなる。
焼走り登山口へのアクセスは基本的に自家用車かタクシーが必要。
1人でタクシーを使うのも割高になるし、幸い初日の行程は岩手山の登頂を果たしたら9割がた終えているといっても過言じゃない”急がない”計画だ。
だから今回はここ大更駅から自走で向かう計画とした。
大更駅を出て少し行ったところにあるファミリーマートで入山前最後の補給を行っていざ出発。
天候は生憎の曇り。
さらに予報では、山頂部は時間が経つにつれて天候が悪化し明日朝まで雨予報。
田園風景の切れ間から覗く岩手山はすでに雲の中、いくら”急がない”計画とはいえ、少しでも早く本日のゴールである『岩手山8合目避難小屋』に到着したいところ。
大更駅から歩くことおよそ9km.
2時間も経たないうちに焼走り登山口に到着。
ここで日本各地をキャンピングカーで巡っているというオランダ人ご夫婦(ハンスご夫婦)と出会う。
彼らは岩手山への登山者ではなく、焼走り溶岩流を見に来ていて少しだけハイキングをしたいということで、溶岩流散策路の分岐まで一緒に歩くことになった。
ボクは翻訳アプリを片手に彼らと2㎞ほど、雨に濡れて一層緑が萌える新緑の樹林帯を歩いた。
ハンスご夫婦は溶岩流を散策した後、盛岡市内へ”わんこそば”を食べに行くそうだ。
『どこかオススメのお店はあるか?』と聞かれたが、実はわんこそばを食べたことがない。
正直に『わんこそばを食べたことがないんだ。反対にオススメを教えてほしいくらいだよ(笑)』と答えると後日、『ここが美味しかったよ!』とメッセージが送られてきた。
とても気さくなご夫婦だった。
そんなこんなで会話は弾み、あっという間にお別れの時間。
ハンスご夫婦とバイバイした後は、1人黙々と新緑の登山道を登っていく。
会話相手がいなくなったからか、雨音が一気に強く感じた。
このあたりはコマクサの群生地として有名で、6月下旬ごろから見頃を迎えるらしい。
八幡平市や盛岡市を見渡しながら見るコマクサの群生は、さぞ絶景なんだろうと想像しながら黙々と行く。
中腹を過ぎる頃には、徐々に残雪が目立ち始める。
途中、雪渓をトラバースする場面が連続し、目印のピンク札が無いところが多く、トラバースの度に道を見失う。
硬くも柔らかくもない中途半端な残雪は歩きづらく、チェーンスパイクを脱ぎ着しながら確実に攻略していった。
山頂部手前の平笠不動避難小屋をすぎてから道は歩きやすくなったが、今度は風がとんでもない強さで吹き荒れる。
雨ニモマケズ風ニモマケズ、ようやく山頂部に到着した。
写真では見ていたが実際に目の当たりにすると想像以上に異様な光景(絶景)。
曇っていて暗い中でもわかる特徴的な表土の色合い、火山特有のいびつな形状をした山頂部は遮るものが無く、立っているのもやっとの状況の中を亡霊のように彷徨ってみる。
じっくり1周して堪能したいところだったが、如何せん強すぎる風とそれに乗ってくる雨粒のコンボダメージがじわじわ蝕み早々と退散。
それでも岩手山山頂神社へのお参りや、正規の山頂を踏むことは抜かりなく。
もう少し見て回りたい光景に名残惜しさを感じつつ、本日の宿でゴールである岩手山8合目避難小屋へ向かった。
写真左側に見えているのが岩手山8合目避難小屋。
夏季営業期間は、管理の方が半常駐状態という珍しい避難小屋で協力金1,700円(大人1名)で宿泊可能。
夏季営業期間は売店の利用可能で収容人数は100名越えと非常に管理が行き届いた大規模避難小屋だ。
目の前には水量豊富な水場(御成清水)もあって過ごしやす事間違い無し。
到着したのは16時前。
まだ本格的なシーズン前とはいえ登山者の多い岩手山、人気の避難小屋だ。
登山口で出会ったハンスご夫婦以外に未だ人と出会っていないボクは、この暴風強雨の中の山行を同じ境遇者と『いやー、生憎の天気っすね~(笑)』などと少しばかり語らえたらと期待して避難小屋の扉を開けた。
しかし、そこにあったのは無人の巨大空間だった。。
ひとまず1時間ほど待ってみる。
しかし誰も来ない。
足音は一向に聞こえないのに、雨音だけは徐々に強くなっていく。
電気無しの火気厳禁という状況の中、この広さを明日朝まで独り占めするのはさすがに気が引けてしまった。
雨がこれ以上強くなる前に、10分ほど戻った位置にある『不動平避難小屋』に移動することを決意。
ありがたく水場で補給はさせていただき不動平避難小屋へ。
石造りが美しい不動平避難小屋。収容人数は15人ほど。
わずかに期待してドアを叩いたがやっぱりこっちも独占状態。
でも、先程の巨大ホールに比べたらワンルームほど広さなので落ち着きは段違い。
これはよく眠れそうだ。
そうとなれば、まずは夕食。
この日は自宅にストックしている『尾西の赤飯』に、スモールツイストのミートソース:25ℊをトッピングした『ミート赤飯』。
赤飯が大好きなのでドライフードもコンビニのオニギリも、いつも赤飯を選んでしまう。
HMG / RE PACKで保温しながら湯戻ししている間に明日の天気とコースをもう一度確認。
明日の天気予報は朝まで雨、午前中いっぱいは霧に包まれる予定だ。
30kmの行程が控えているが、どうせなら天気が落ち着くまで出発を遅らせて、行程は長いが焦らずゆっくりと行くことにした。
そうして19時を回る頃にはシュラフに潜り、Kindle端末を片手に数ページも読み進まない内に眠りに落ちて初日が終了。
夜行バスの移動に始まり、歩きづらい溶岩地質のザレ場を登り雪渓の細かいトラバースを繰り返し、雨に風に打たれた体は想像以上に疲れていたようだ・・・
2日目につづく。
《 岩手紀行 -破- 》岩手山から裏岩手縦走路を経て八幡平へ
(※↑近日公開予定)
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