BAMBOO SHOOTS MOUNTAIN JOURNEY vol.9

いよいよ発売間近!
山の服をイメージイラスト付きで紹介

 

 

1年かけて製作してきた、バンブーシュートが提案する山の機能ウェアがいよいよ発売間近となってきました。機能とひとことで言ってもいろいろありますが、メカニカルなそれではなく、縫製やシルエットでどこまで機能を担保できるか、というのが最大の難所であり、個性だと思います。今回は、「MOUNTAIN JOURNEY」の最初のゴール地点である、ファーストコレクションの山での機能をディレクターの甲斐みずから説明します。

 

MOUNTAIN HIKE PANTS   & MOUNTAIN HIKE SHORTS  (4月入荷予定)

 

 

山で履くパンツと、街のパンツのシルエットの違いがずっと気になっていて。それが山の服を作ろうと思ったきっかけにもなっているんです。ただ、よくあるような「山と街をシームレスに繋ぐ」的な、どっちでも履けますよというのとはちょっと違くて、僕が街ではいているようなパンツを、シルエットはそのままに山にアジャストした感じで作っています。パッと見では山のパンツに見えないというところを意識しました。山ではくものだから素材は乾きの良いポリエステル100%。ストレッチ性はあえて持たせず、縫製の工夫だけで、ほぼ180度開脚ができるようにしてあります。2タック入れることで腰回りもゆとりがあるので、可動域の広さという意味では、テクニカルなブランドのものに負けていないと思っています。ただし、急峻な岩場などでは太いパンツは引っかかるリスクがありますから、あくまでもハイクパンツという位置付けです。ウエストはドローコードで調整する仕様。自分としては、やっぱり紐パンって楽だし、細かい調整が一番しやすいと思っています。ベルト忘れの心配もなくなりますしね。

ショートパンツのほうは、少しシルエットを変えてあるんですが、基本概念はロングパンツと一緒です。短パンと言ったらやっぱり解放感が最大の魅力だと思っているので、かなり大胆に太くしてあります。ただし長さに関しては膝に引っかからないギリギリのラインを攻めてみました。ロングパンツ同様、バックにはスマホなどがフィットするサブポケットが付いているので山だけでなく、旅のパンツとしても優秀だと思います。

 

SHORT SLEEVE OPEN COLLAR SHIRTS (4月入荷予定)

 

昔から軍モノのシャンブレーシャツが大好きで、山で着ていたりもしてるんですが、それをもう少しだけ山にアジャストしたのがこれです。胸ポケットや台襟のない仕様など、軍モノシャンブレーの魅力的なディティールは残しつつ、素材を大きく変えています。速乾性、透湿性、そしてストレッチ性も持たせてあります。そもそもシャツという形自体がかなり機能的なんですよ。フロントを自分の好みに開けることができるので、暑いときにはフルオープンしてしまえばそれだけでかなりのベンチレーション効果を得ることができます。ただ、そのまま軍モノシャンブレーをコピーしても面白くないので、どこかに独自のベンチレーションを入れたかった。バックパックを背負うわけですから背中に入れてもそこまでの効果は期待できない。じゃあどこにしようかと悩んだ末に行き着いたのが肩の裏部分です。シルエットを崩すようなおおげさなものにはしたくなかったので、縫製に隙間を作るような形で入れてみたんですが、これが期待以上の効果でフロントから入った空気を効果的に後ろに掃きだしてくれます。袖部分はYジョイントスリーブというブランド独自の作りにしているんですが、とても腕が上げやすくなっています。これは今後、ロングスリーブバージョンを作った時に、もっと活きてくるディティールかなと思っています。

 

MERINO WOOL SLEEVELESS TEE & 1/2 SLEEVE BASEBALL TEE

 

 

 

軽いハイキングとかだったら、コットンのシャンブレーシャツとかで行っちゃいたいって気持ちがあるんですよ。とはいえ、それ1枚だとさすがに不快です。だから自分が好きになれそうなインナーを作ってみたんです。素材はメリノウールとクールマックスの混紡で、天然素材と化繊の良いとこ取りです。サラッとした着心地で、汗をかいても臭くなりにくく、濡れても体が冷えにくいので、長期縦走などにも積極的に使えると思います。山のインナーってやっぱりピタッとしたものが多いですよね。体が仕上がってないと似合わないものが多い。それで作ってみたのがビッグシルエットのラグランスリーブと、タンクトップです。ラグランのほうは、ありそうでなかった山で着られるベースボールTEE。そもそもラグランって腕の可動域が大きいし、縫い目もバックパックを背負ったときに干渉しないから、山ウェアのシルエットとしても優秀です。これにフードを着けた派生形を作っても面白いかなと思っています。そしてタンクトップ。これは仕上がってない体でも似合うということを重視しています。“スリーブレス” という名前通り、ビッグシルエットのTシャツの袖をカットオフしたイメージですね。アームホールを大きくすることでちょっとバスケっぽさもあります。どちらもインナーとして優秀ですが、それ1枚で着られるということも意識して作りました。

 

illustration

竹内 大介 Daisuke Takeluchi a.k.a. daisketch

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櫻井 卓 TAKASHI SAKURAI