【旅の記録編】九州自転車旅 福岡to鹿児島
こんにちは。BAMBOO SHOOTSスタッフの黒田です。6月上旬、1週間の休みを利用して、福岡から鹿児島まで九州縦断の自転車旅をしてきました。メインは自転車ですが、ところどころ電車やフェリーも織り交ぜながら、自由気ままなスタイルで旅を楽しみました。今回は2部構成でお届けします。後編では「旅の装備編」をご紹介します。いつもとはひと味違う旅の記録となりますが、ぜひ最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
【行程】

1日目:羽田空港(飛行機) → 福岡空港 → 太宰府 → 福岡市 → 糸島(約60km)
2日目:糸島 → 唐津(電車) → 諫早(約80km)
3日目:諫早 → 小浜温泉(約50km)
4日目:小浜 → 雲仙普賢岳 → 島原港(フェリー) → 熊本市(約50km)
5日目:熊本市 → 八代(電車) → 上川内 → 鹿児島市(約100km)
6日目:鹿児島市内観光(雨天のため自転車にはほとんど乗れず)
7日目:鹿児島 → 鹿児島空港(バス) → 羽田空港
【はじめに】
ルートは福岡からできるだけ海沿いを南下し、鹿児島を目指すというシンプルなもの。
宿やルートはあらかじめざっくり決めておき、細かいところは当日その場のノリで決定。旅のバディは会社の先輩Tさん。

今回の旅の起点となる福岡空港には羽田空港から飛行機輪行で向かいます。航空会社に事前に連絡を入れ、前後輪を外して輪行バッグに収納すれば、自転車も預け入れ荷物として飛行機で運ぶことが可能です。今回利用した国内線(ANA)では、追加料金もほとんどかからず、スタッフの方も快く対応してくれました(ここ、かなり重要ポイントです!)しかも、保証付きで丁寧に扱ってもらえるため、大きなトラブルも全くありませんでした。最初は「飛行機輪行はハードルが高そう…」と思っていましたが、実際は電車やバスでの輪行よりもずっとスムーズで快適でした。※ただし、LCC(格安航空会社)や国際線では料金や対応が異なる場合があるので事前の確認は必須です。

私たちの旅の相棒となる自転車を簡単に紹介。どちらもアメリカの「BLACK MOUNTAIN CYCLES」の自転車。細かなスペック等の説明は省きますが、オンロード、オフロード共に安定して走ることのできるツーリングバイク。それぞれ、大型のハンドルバーバッグを装備し、旅の荷物はすべてこの中にパッキング。今回は基本的にゲストハウスなどに宿泊しますが、念のためタープやビビィといった簡易的な宿泊装備も持っていきます。
ウェアやギアは、登山の縦走で使っているものをそのまま流用。水や食料の補給もしやすい環境なので、装備はかなりコンパクトにまとめることができました。ULハイキング(ウルトラライト装備)とバイクパッキングの相性は抜群で、「軽く・速く・自由に」旅するスタイルにピッタリです。
1日目 福岡県福岡市(太宰府天満宮)
初日は昼頃に福岡空港へ到着。市内で腹ごしらえをした後は観光名所である太宰府天満宮へ向かいます。福岡市内に戻った後は気になっていたショップなどをめぐり、福岡名物であるもつ鍋を食べて糸島市内にあるゲストハウスまで自転車で向かうという計画。初日はしっかり走るというよりかは観光メインの緩めの行程。



2日目 福岡県糸島-佐賀県唐津-長崎県諫早
2日目は長崎県の中心部に位置する諫早市をゴールに設定。出発地点の糸島から唐津までは海岸沿いを自転車で移動し、唐津から海沿いに出る肥前鹿島という駅までは電車輪行で移動。そこからゴールの諫早市までは海沿いを自転車で進むという行程。途中、唐津で時間に余裕があれば観光をしたいねという流れでスタート。



唐津はスタッフ坂本がかつて住んでいたこともあり、おススメのご飯屋さんやビューポイントをたくさん教えてもらっていましたが、電車の時間の都合上長居できず素通りしてしまう結果に。唐津から肥前鹿島駅までさらに輪行し、ここから有明海を横目に諫早市まで約50kmの道のりを自転車で進んでいきます。


長崎県へ突入!
諫早市へは多良岳レインボーロードという山間部を走る道路を使って向かいます。この道は景色こそよかったもののアップダウンが激しく、交通量も想定以上に多く、体力、集中力が大きく奪われる結果に。さらに、道中にビュースポットである棚田に向かうため道を外れたところ、思った以上の距離があった上に激坂を登らされるという想定外のルートで体力をさらに消耗。ヘロヘロになりながらも約4時間で、何とか諫早市の目星を付けていた中華料理屋に営業時間内に到着。

夕食は地元で有名な中華料理屋で長崎名物のちゃんぽん、皿うどんを堪能。あっさりとした優しい味付けでボリューム満点でもぺろりと平らげた。この日は諫早市内のホテルへ宿泊。
3日目 長崎県雲仙市小浜町
3日目は雲仙普賢岳の麓の街である雲仙市小浜町の小浜温泉にある一風変わった体験の出来る宿をゴールに設定。雲仙は今回の旅の中でも特に気になっていたエリア。



本日の最初の目的地は近隣の農家が育てるオーガニック農作物や良質な調味料、加工品が揃うオーガニック直売所「タネト」
雲仙一帯は移住者への手厚いケアとタネトを中心とした食材の豊富さから、全国から感度の高い料理人や生産者さんが移住しているそう。タネトはそのコミュニティの中心的な立ち位置のお店で、ここで取り扱う野菜を目当てに福岡から毎週わざわざ3時間かけて車で野菜を買いに来る人もいるんだとか。



タネトから小浜の温泉街までは約10kmで山間を走る旧道を使って下っていきます。この道はタネトのスタッフの方に教えてもらった裏ルート。下り基調の道且つ、交通量が少なくのんびり走れることはもちろん、木々に覆われ自然のトンネルのようになった道はとても幻想的。ただただ走るだけでも癒される道。点在するガソリンスタンドや寂れた集落はかつてここが地域のハブ道路だったことを思わせます。




源泉の温度が105℃と日本一の熱量を誇る小浜温泉「湯宿 蒸気家」
本日の目的地である「湯宿 蒸気家」に到着。雲仙の橘湾を望む小浜温泉。源泉はほのかに塩分を含む塩化物泉で、温度105℃と日本一の熱量で知られています。ここでは100℃を超える源泉を利用した温泉蒸しをセルフで楽しめるのが魅力。



4日目 雲仙普賢岳-熊本
本日のゴール地点は熊本市街。雲仙普賢岳を経由して島原港~熊本港のフェリーを使い移動。当初、小浜から普賢岳の手前のロープウェイ乗り場までは自転車で向かい、そこから余裕があれば普賢岳の周りも散策しようという甘い計画を立てていたが、ロープウェイ乗り場までの道のり約20kmはほぼずっと上り坂で想像以上のきつさでした。写真だと全くきつそうに見えないが斜度6~7℃の坂道がひたすら続く。
この日は30℃近い気温に加えて日差しも非常に強く、ペダルを漕ぐ足に乳酸がたまり体力もどんどん奪われていく。








島原港から熊本港まではフェリーで約1時間で到着。このフェリーは通常料金+500円で自転車をそのまま載せられます。自転車旅の最大のストレスは輪行なのでこういうサービスは本当にありがたいです。熊本港には18時頃到着。市内を軽く散策してから夕食を食べて明日の朝に備えます。(よく考えたら疲れていて熊本城の写真を撮影できておらず、、、)

夕食は熊本名物の熊本ラーメン。昼食抜きでひたすら移動していたためトッピング全盛り+大盛という普段であれば絶対に頼まないチョイス。
5日目 熊本 to 鹿児島
当初の予定では電車輪行で阿蘇まで向かい、阿蘇山周辺をサイクリングし熊本市内でもう一泊する予定でしたが、ここで思いがけないトラブルが発生。私の自転車の前輪が原因不明のメカトラブルで全く外れないという想定外のことが起こる。電車に乗せるのには前後輪を外す必要があるため輪行不可能となり、今後の移動に関してもかなり危ぶまれる状態に。急遽予定を変更し、天候の影響もあることから一日早く鹿児島を目指すことに。熊本から鹿児島までは自走で約200kmという気の遠くなる距離。気を取り直してまずは八代市を目指して約50km自転車を漕ぐ。
この八代という街は「肥薩おれんじ鉄道」というローカル電車の始点となっています。1両編成のこじんまりとしたローカル電車なのですが、全国でも珍しいサイクルトレインとなっていて予約不要で自転車を分解せずに乗せることができる非常に自転車フレンドリーな路線なのです。
ココから終点の新川内までの約80kmを自転車を乗せて移動し一気に距離を稼ぎます。思いがけず今回の旅の救世主となったのでした。






夜道はリフレクターベストを着用し安全対策はばっちり。
ベストを着用することで車が心なしか車間距離をあけてくれ幅寄せもされなかった印象。
最後の鹿児島市街までの約10kmの国道は狭い道幅、悪い路面状況、街灯無し、交通量が非常に多いと自転車乗りにとっては非常にハードな道のり。とにかく慎重に進み、何事もなく21時頃に今回の最終目的地である鹿児島市内に到着することができた。まさかのメカトラベルからここまでたどり着けなかったどうしようという不安に押しつぶされそうになっていたが、事故なく無事に到着できたことにとにかく安堵しました。

6、7日目は梅雨入りした鹿児島市内は大雨に見舞われて自転車を漕ぐことは殆どできず、ホテルでゆっくりしたり市内を散策したりとのんびりと過ごしました。最後に東京でいつもお世話になっている自転車屋に顔を出して、例のトラブルも無事解決して一安心。
【さいごに】

また、今まで培ってきた登山での経験や装備を存分に活かすことで更に快適に旅を楽しむことができました。遊びの1つの選択肢としてこれからも自転車旅を続けていこうと思います。
少し長くなってしまいましたがここまで読んでいただきありがとうございました。
次回のブログでは今回の旅のパッキング紹介と使用したアイテムのレビューをしますのでお楽しみに!
黒田
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