《ALTRA LONE PEAK8》160km使用レビュー
こんにちは、BAMBOO SHOOTSスタッフの坂本です。
今回は、ALTRA(アルトラ)トレイルシューズの中で最も支持される、定番モデルの新作、LONE PEAK8(ローンピーク)のレビューをしていきます。
本場アメリカのロングハイクシーンは勿論、日本のトレイルランニングやハイキングシーンにおいても人気のローンピーク。毎シーズン履き倒して買い換える愛用者もいる程で、8の発売を待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか?
私もその中の一人で、これまで何足かのローンピークを履き、何百kmと歩いてきました。今回は早速LONEPEAK8を履いて、熊野古道紀伊路の160kmを4日間歩いてきたので、そのレビューをしていきたいと思います。
LONEPEAK7と8の比較や、その人気の秘訣、実際の履き心地や使用感について綴っていきますので、購入を検討している方や、軽量なシューズをお探しの方への参考になれば幸いです。
<ALTRAシューズの特徴>
踵から着地する際のヒールストライクによってかかる膝への衝撃。ランナーの故障の原因になりうるヒールストライクを極力抑える走り方を追い求めた結果、つま先から踵まで高低差の無いALTRA Zero Dropシューズが生まれました。自然な走り方ができる究極のシューズをコンセプトに掲げるシューズ専門ブランド。
そんなALTRAの中で創業当時からあるローンピークは、まさにブランドを代表するモデル。BAMBOO SHOOTSでは5色展開の中からTAN、BLK /GREEN、DUSTYOLIVEの3色をセレクト。店頭ではLONEPEAKの他に、SUPERIOR、OLYMPUSを取り扱っています。更に今季からは、TIMPも新たに展開予定。上記3つのモデルについては、店長大田が違いを解説していますので、よろしければそちらのブログも合わせてどうぞ。
<LONEPEAK7から8への変更点>
先ずは7と8を並べた写真を見ていきましょう。
奥のモデルがLONEPEAK7(TAUPE)手前が8(TAN)。第一印象はそこまで違いがない様に見えます。微細なパーツの変更と、アッパーメッシュのリップストップの格子の向きが変わったくらいでしょうか?
実は前回の6から7へのアップデートは、踵周りが樹脂パーツで補強されて安定感が高まったり、アッパーメッシュがシームレスになったり、ラグパターンの変更等、それなりに大きな変更点がありました。今回の8はその7をブラッシュアップし、更に完成度を高めたモデルだと言えます。
具体的には、前回のメッシュのシームレス化により、通気性と耐久性が向上しましたが。今回の8では更に見直され、より強いリップストップメッシュに変わりました。
私は歴代のモデルを履いてきてアッパーの致命的な破れはありませんでしたが。通気性とフィット感を高めつつも強度が上がっている点は、ユーザーにとって嬉しいポイント。
更に言うと、7はサイズUS10(28.5cm)が314gなのに対して、8の同サイズで303g。元々軽量なシューズで11gの軽量化は大した事ですし、まさに完成度の追求や進化を感じさせられます。
使い勝手の点で言えば。シュータンのループが大きく滑りの良い素材になったので、指入れしやすくなりました。細かい点ですが、より簡単に脱ぎ履き出来るように。
4日間歩いて脱ぎ履きを繰り返し、ここの小さなストレスが緩和されたことは印象的でした。
<LONEPEAK8の使用感>
それでは、実際に160kmを歩いてみての使用感に触れていきたいと思います。距離が丁度100マイルでしたので、ローンピークを履いてレースに挑みたい方にも、使用後のシューズのダメージや変化は参考になるかと。
今回歩いたのは、大阪府大阪市と和歌山県田辺市を結ぶ熊野古道紀伊路。私自身、紀伊路を歩けば熊野古道全ルート踏破だったのもあり、このルートを選んで歩いてきました。熊野古道については、また後日ブログをUPしますね。
紀伊路は熊野古道の他ルートに比べて舗装路が多い上、歩いた4日の内2日間雨に降られました。濡れた地面を100km以上歩いてきたので、良いテストになったのではないかと思います。
私は基本的に、ローンピークをはじめ非防水のシューズを履くことが多いですが。アッパーの薄いローンピークは、やはり中でも通気性が高い。今回の雨量は多くなく、降ったり止んだりだった為、歩きながら靴の中が換気されて乾いていくのが分かりやすかった。
雨が長期化する場合は、皮がふやけてトラブルに繋がるし、冬の低山や3シーズンの高山帯等、冷たい雨で身体の末端が冷えると低体温症の原因になってしまうので、私は状況に合わせて防水ソックスを携行しています。
長い距離を歩く場合、防水シューズより非防水シューズ+防水ソックスの方が雨後の快適度が全然上。私は経験上この組み合わせに落ち着いています。
ローンピークに採用されているMaxTracは、粘り強いグリップ力に定評があります。勿論、乾いた路面に対しては抜群のグリップ力で不安なく歩けますが、今回のように、ぬかるんだトレイルや苔むす岩や濡れた石畳においては、”何履いても滑るよね”が個人的な見解。
しかし、薄過ぎず厚過ぎない25mmのソールが足裏の情報を適度に拾ってくれて、滑りそうな瞬間に咄嗟に対応が可能。毎日3時間程は暗い時間帯も歩きましたが、4日間1度も滑って転ぶ事はなかった。ナイトハイクでは特に足裏感覚は重要な情報となってきます。
長距離ハイクに耐え得るクッション性を備えつつ、適度に足裏感覚がある。この絶妙なバランスが、ローンピークが愛される大きな所以ではないでしょうか?
<LONEPEAK8の履き心地>
重量が軽い割にボリュームあるヒールカップで、ラグジュアリーな履き心地も特徴的。開放感あるトゥーボックス、シームレスなアッパー、しなやかなソールが相待って、フィット感は非常に良好です。
足先の圧迫感が少なく指が開き、まるで足袋のように地面を掴む感覚のあるFoot Shapeは、足を締め付けないので長時間履いても疲れにくい。かと言って靴の中で足が遊んでしまう事はなく、足先のフリーな状態と安定感を上手く両立しています。
ALTRAのシューズはオリンパスとローンピークを履いてきましたが、フィット感はローンピークの方が上。しかし、硬い路面を長時間歩くシュチュエーションでは、ソールの厚いオリンパスの方が疲労の蓄積は当然少ない。負荷の多い(距離や重量)アクティビティではオリンパスの方が適性あるので、最高50~60kg程度背負う山小屋の歩荷や、1500km歩いた四国遍路ではオリンパスを使用してきました。履き心地は硬めだけど、耐久性はより高いです。
ただやっぱり私の中でも定番はローンピークであり。良い意味で何も感じないスタンダード感、歩くことや走ることを邪魔しない。そんなシューズだと思っています。
〈160km使用後の変化〉
160km歩き終えてのソールの摩耗はご覧の通り。右側の新品に比べ、左はラグが3~4割擦り減ったでしょうか。一般的にトレランシューズの寿命は500km程度と言われているので、妥当なところ。
私は年間2足のシューズを履き潰し、ALTRA以外にも様々なシューズを試していますが、粘り気あるオリジナルソールのMaxTracは、舗装路を長く歩くトレイルでは、ビブラム等と比べて擦り減るスピードが早く感じます。この辺りは軽さやグリップ力とトレードオフなところがあるので致し方ないですね。
ソール以外では、80km歩いたあたりでヒールの内側の布が擦り切れ穴が空きましたが、使用に大きく影響を与える破損ではないですし、ここを耐久性ある強い素材に変えると、恐らくフィット感の低下に繋がるのではないかと推測します。
紀伊路では岩稜や藪漕ぎが皆無だったので、アッパーはノーダメージでした。雨が続いて泥は付きましたが、乾いた後にブラシで簡単に落ちる。今回のTANは特に泥汚れが目立ちにくいカラーかと思います。
〈総評〉
160kmの熊野古道を歩く中で、登山道、舗装路の他、みかん畑へ続く林道、濡れた芝、落ち葉、砂浜…と。バリエーション豊富な路面の一々に難なく対応してくれた。”迷った時はこの靴を選んでおけば間違いない”私の中ではそんな位置付けで最も多く履いてきたシューズ。
ここまで振り返ってみても、余りある魅力に比べて欠点の少ないシューズだと改めて感じました。絶妙なバランスで作り込まれ、限りなく完成度の高い一足。これからも進化を続けるローンピークから目が離せません。
BAMBOO SOOTSスタッフはALTRA愛用者が多いので、シューズ選びの相談は気軽にお尋ねください。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
坂本
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