【みちのく潮風トレイル】GWの混雑を避けてゆく歩き旅

こんにちは、スタッフ黒田です。

GW休暇を使ってみちのく潮風トレイルを2泊3日で歩いてきました。今回歩いたのは、三陸鉄道・譜代駅から田老駅までの約78km。海岸線、漁港、森、集落、そして三陸らしいアップダウンをつなぎながら進む、歩き応えのあるセクションです。

旅全体としては、5月3日から5月7日までの4泊5日。5月3日〜5日の3日間でトレイルを歩き、5月6日は宮古市内を観光、5月7日は移動日という、GWの混雑を避けるため余白を持たせたスケジュールで動きました。

今回歩いた北部エリアは三陸鉄道の沿線にあり、キャンプ場や民宿、ホテルも点在しています。そのため、天候や体調、その日の気分に合わせて予定を調整しやすいのが大きな魅力です。大型連休でも少し場所を選べば静かに歩ける道がある。人の多い観光地を抜け出して、自分のペースで海沿いの道を進む。そんなGWの過ごし方として、みちのく潮風トレイルはとても良い選択肢でした。今回はその行程と、実際に使用した道具の感想をあわせてご紹介します。

今回の行程は以下の通りです。

DAY 1|譜代駅〜ネダリ浜自然歩道〜黒崎キャンプ場 / 約8km
初日は移動後のスタートということもあり、距離は短めに設定。

DAY 2|黒崎キャンプ場〜北山崎〜弁天崎〜ひらなめ海岸〜鵜の巣断崖〜御殿崎自然休養林 / 約35km
今回のハイライトとも言える、北山崎や鵜の巣断崖をつなぐロングデイ。

DAY 3|御殿崎自然休養林〜摂待〜真崎海岸〜三王岩〜田老駅 / 約35km
海岸線と集落をつなぎながら、田老駅を目指す最終日。

 

DAY 1|譜代駅〜ネダリ浜自然歩道〜黒崎キャンプ場 / 約8km

スタート地点となる三陸鉄道・譜代駅までは、東京から東北新幹線で八戸へ。そこから在来線を乗り継いで向かいます。始発の新幹線を使っても、譜代駅に到着するのは昼過ぎ。そのため初日は移動日と割り切り、歩行距離は約10kmほどの控えめな行程にしました。駅前の道の駅で食料などを買い込み、いよいよ歩き始めます。

初日のハイライトは、黒崎漁港からネダリ浜まで続く約1kmの「ネダリ浜自然歩道」。波打ち際を進み、手掘りのトンネルを抜け、断崖沿いの道を歩く。短い距離ながら、三陸の海岸線をいきなり体感できる迫力のあるコースです。

海のすぐそばを進むダイナミックな道でありながら、途中にはハイカー向けの休憩所も設置されていて、想像以上に歩きやすいセクションでした。初日から無理に距離を稼がず、移動と足慣らしに徹する。長い休暇の歩き旅には、このくらいの余白がちょうどよく感じました。

初日の幕営地は、黒崎キャンプ場。綺麗に整備されたオートキャンプ場で、近くにはホテルもあり、宿泊者以外でも温泉に入ることができます。何より、テント場代が200円、入浴料が500円という価格設定もうれしいところです。今回はシェルターとしてツェルトをチョイス。軽量でコンパクトでありながらしっかりと床があるため、安心感のある寝床になるのがツェルトの魅力。ここ最近の山行でも出番が多いお気に入りの装備。当日はGWということもあり、キャンプ場にはハイカーの姿もちらほら。装備を見ると、UL系のスタイルの人が多い印象でした。

温泉にゆっくり浸かった後は、夕食の準備。駅前の道の駅で買っておいた、譜代村の名産品である昆布を練り込んだ「はっと」を作って食べました。地元の食材を簡単に調理して食べられるのも、歩き旅の楽しみのひとつです。翌日以降は、それぞれ30kmを超える行程。温泉で体を温め、地元の食材でお腹を満たし、あとは寝るだけ。初日の夜としては、これ以上ないくらい整った幕営地でした。

装備に関して

LiteAF / プリンテッドダイニーマ30Lカーブ フレームレス+アッパーサイドポケット

※写真は20Lモデルです。

今回の旅の相棒に選んだのは、LiteAFのバックパック。特徴的な柄に目が行くため、一見すると“イロモノ”的に見えるかもしれませんが、実際はULバックパックの基本をしっかり押さえた質実剛健なバックパックです。メインボディにはダイニーマを採用し、縫製部分はすべてシーム処理済み。高い防水性を備えながら、身体に沿うS字カーブのショルダーハーネスと厚みのあるパッドにより、背負い心地も良好です。

各所にループが設けられているため、カスタム性も高く、自分のスタイルに合わせて使えるのも魅力。ファウンダーのクリスがハンドメイドで仕上げるバッグは、細部まで丁寧に作り込まれています。私が使用しているのは、パープルの幾何学模様に一目惚れしてオーダーした「PURPLE GEO」の20Lモデル。今回は装備をかなりコンパクトにまとめたため、2泊3日の行程でも十分対応できました。

今回特におすすめしたいのは、最大45Lの容量を持つ汎用性の高い30Lモデル。日帰りのハイキングから、装備を絞った数泊の山行まで幅広く使えるサイズ感です。今シーズンより入荷したモデルに標準搭載のアッパーサイドポケットも、ペグやサニタリーキットなどの長物を収納するのに便利です。

AXESQUIN modified / ヘリウム バイアスジップ スタンドジャケット

ジャケットは、AXESQUIN modifiedの「HELIUM BIAS STAND JACKET」。フードを省いた、ミニマルなデザインのスタンドジャケット。インナーには、BAMBOO SHOOTSの「MERINOWOOL LONGSLEEVE HOODY」をレイヤリング。薄手のウィンドシェルにフード付きのメリノウールカットソーを重ねることで、温度調整がしやすく、見た目のバランスも良い組み合わせになります。

カラーはグレー系の「PEWTER」をチョイス。この手のシェルではあまり見ないカラーリングで想像以上にスタイリングしやすく、個人的にもおすすめのカラーです。大型のフロントポケットが両サイドに備わっているのも、地味にうれしいポイント。超軽量のウィンドシェルは、テカテカとしたギア寄りの見た目だったり、軽量化のためにポケットを省いたモデルも多いですが、このジャケットは日常使いにもなじむデザインと機能性を備えています。軽く羽織れて、旅先でも街でも違和感なく使える。今回のような歩き旅には、かなり相性の良い一着でした。

AXESQUIN modified / ヘリウムビッグパンツ

パンツもAXESQUIN modifiedの「HELIUM BIG PANTS」。PERTEX EQを採用した超軽量なワイドパンツ。夜はかなり冷え込みましたが、山と道のアルファタイツのようなアクティブインサレーションを重ねれば、保温性は十分。何より重量が約130gと非常に軽量なので、メインパンツとしてはもちろん、下山後や旅先でのサブパンツとしても使いやすい一本です。

今回は4泊5日の旅を、このパンツ1本で過ごしました。ホテルで洗濯する際も、脱水した段階でほとんど乾いているような感覚で、翌日の行動にもそのまま使える乾きの早さが魅力です。また、NOTACEとの組み合わせも相性が良く、山の装備に寄りすぎない見え方になるのもポイント。宮古市内の観光や帰りの移動日まで、違和感なく履き続けることができました。軽さ、乾きやすさ、街での馴染みやすさ。その3つが揃っているので、今回のようなシチュエーションにはかなり相性の良いパンツだと感じました。

NOTACE / yama T1 M

シューズは、ここ最近気に入って履き込んでいるNOTACEの「YAMA T-1」を今回も選びました。今回歩いた譜代〜田野畑〜田老区間は、みちのく潮風トレイルの中でもアップダウンの多いなかなかハードな道のり。それでも、足まわりに大きな不安を感じることなく歩き切ることができました。

余裕のあるフットシェイプ、絶妙なスタックハイト、そして路面への追従性に優れたソールパターン。舗装路、林道、海岸線、細かなアップダウンが続くトレイルまで、さまざまな路面に対応してくれる懐の深さを感じました。BLOGでも何度か触れていますが、スタイリングを邪魔しないミニマルなデザインも、このシューズの大きな魅力です。今回のようにトレイルを歩いた後、そのまま街を歩いたり、帰りの移動に使ったりする旅にはちょうどいい存在でした。

IVORYは汚れが目立ちやすく、今回の旅でさらにしっかりと汚れが付きました。ただ、ここまでくるとそれも味として愛おしく感じます。HYPERLITE MOUNTAIN GEARのWHITEのギアを使い込んで、くたっと馴染ませていく感覚に近いかもしれません。きれいなまま履くよりもフィールドで使い込んでからの方が似合う。そんなところもこのシューズの魅力だと思います。

今回着用したアイテムは全てアクティビティだけでなく普段のファッションにも落としこみやすいものばかりなのでとてもおススメです。

 

THE SMALL TWIST TRAILFOODS / Quick - Lemon Chicken Tajan

※中目黒店舗のみでの販売となります。

当店でもご好評いただいているSMALL TWISTから、新作の「QUICK」シリーズが入荷したので、こちらも早速フィールドで試してみました。容量は通常版から少なく1.5人前から1人前に。調理時間も約15分から約8分へと短くなっています。朝や行動後など、できるだけ手早く食事を済ませたい場面では、この短さがかなりありがたいポイントです。今回食べたのは、レモンの酸味とスパイスの香りが効いた「レモンチキンタジン」。

お湯を少し多めにして作ると、スープのような感覚でさらりと食べることができました。重すぎず、体も温まるので、朝ごはんにはちょうどいい一食です。ハイキング中の食事は、軽さや栄養だけでなく「無理なく食べられること」も大事。そういう意味でも、このQUICKシリーズは今回のようなシチュエーションにはピッタリだと感じました。

 

DAY 2|黒崎キャンプ場〜北山崎〜弁天崎〜ひらなめ海岸〜鵜の巣断崖〜御殿崎自然休養林 / 約35km

北山崎ビジターセンターから先は一気に道が険しくなるが同時に絶景も見ることができる。

2日目は、今回の旅のハイライトとも言えるロングデイ。黒崎キャンプ場を出発し、北山崎、弁天崎、ひらなめ海岸、鵜の巣断崖を経て、御殿崎自然休養林へ。距離は約35km。海沿いの景勝地をつなぐ華やかなルートでありながら、実際に歩いてみるとアップダウンも多く、しっかりと脚を使う一日です。

この区間の面白さは、いわゆる“絶景”だけで終わらないところ。展望台から見下ろす三陸の海岸線、静かな森の道、漁港や集落、舗装路とトレイル。その景色が次々と切り替わっていくため、長い距離でも単調になりません。

観光地として知られる北山崎や鵜の巣断崖も、歩いてつなぐことで見え方が少し変わります。車で訪れる景勝地ではなく、自分の足でたどり着くポイントになる。その感覚が、みちのく潮風トレイルならではの面白さだと感じました。

登りのトレイルや日中の舗装路では25℃超えで非常に暑い一方、海岸線歩きの際や朝晩は10℃近くまで冷え込むことが多々あったのでレイヤリングでの体温調整は必須です。

 

北山崎展望台付近に現れる急勾配の階段

登山道では、たびたびカモシカに遭遇。人をあまり脅威と感じていないのか、近づいてもなかなか動じない。

今回のトレイルのハイライトとも言える、北山漁港先の海岸ルート。海のすぐそばを歩く、三陸らしい迫力のあるセクションです。

手掘りのトンネルを複数箇所通り抜けます。中は真っ暗なのでヘッドライトは必須。アトラクション感のある、かなり楽しいセクション。

机浜番屋群を抜けてトレイルへ入ると、景色は一気に変わります。静かな森の道の先に海岸線が現れ、三陸らしい地形の面白さを感じられるセクション。

田野畑村周辺の段丘は、高低差が200m近くに及ぶ場所もあります。登りと下りを何度も繰り返すハードな区間ですが、その分、断崖から望む海岸線の景色は圧巻。脚には厳しく、目には贅沢なセクション。

この日の幕営地はキャンプ場ではありませんが、みちのく潮風トレイルを歩くハイカー向けに開放されている広場をお借りしました。テントを張っていると、この場所を管理しているという方が、犬の散歩をしながら声をかけてくださいました。その方から「今夜は強風注意報が出ているから、小屋で寝た方がいい」と教えていただき、ありがたく小屋を使わせていただくことに。実際、この日の夜は夜通し強い風が吹き、外では大きな音が鳴り続けていました。そのままツェルトで寝ていたら、倒壊の危険があっただけでなく、そもそも落ち着いて眠ることもできなかったと思います。長い一日を歩き切った後だったこともあり、このご厚意は本当にありがたいものでした。

 

DAY 3|御殿崎自然休養林〜摂待〜真崎海岸〜三王岩〜田老駅 / 約35km

3日目は、御殿崎自然休養林を出発し、摂待、真崎海岸、三王岩を経て、ゴール地点の田老駅を目指します。距離は2日目と同じく約35km。前日の疲労も残る中でのロングデイですが、海岸線や集落、舗装路とトレイルが交互に現れる、みちのく潮風トレイルらしい変化のある一日です。

この区間は三陸の暮らしや地形をより近くに感じられるルートでした。静かな集落を抜け、海沿いの道を歩き、ときおり現れる大きな景色に背中を押されながら進んでいきます。終盤に現れる三王岩は、最終日の大きな見どころ。長い距離を歩いてたどり着くことで、景勝地として見る以上に印象に残る場所でした。

この区間に関しては過去にスタッフ坂本も歩いているのでコチラのブログも参考に。田老駅に着いたときには、達成感と同時に、もう少し歩いていたいような名残惜しさもありました。2泊3日という短い日程ながら、三陸の海岸線を濃く味わうことができた最終日です。

三日目は雲が殆どないハイキング日和。五月としては異例の25℃超えで場所によっては汗をかきながら登る場所も

海岸線沿いの舗装路は海からの風が気持ちよく歩きやすい。

観光名所である三王岩周辺は海と山をそれぞれ楽しめる贅沢なルート

田老駅前の道の駅でめかぶそばを食べ、三陸鉄道に乗って宮古市へ。ホテルで1泊し、翌日は自由日として宮古市内でゆっくり過ごしました。本当は朝イチで宮古市魚菜市場に寄りたかったのですが、この日はあいにくの定休日。無理に予定を詰め込まず、二度寝をしてゆっくりと朝を過ごしました。昼前には、地元で有名なラーメン屋へ。その後は観光地として知られる浄土ヶ浜や道の駅を散歩しながら、歩き終えた後の体を少しずつ日常に戻していきます。夕方には宮古市内へ戻り、スタッフ坂本に教えてもらった銭湯へ。湯船に浸かった後は、ローカルスーパーで買った総菜をつまみながらビールを飲み、ゆっくりと眠りにつきました。2泊3日のトレイルを歩いた後に、こうして現地で一日余白を持てたのはかなり良かったです。移動して、歩いて、すぐ帰るのではなく、その土地の街を少しだけ味わってから帰る。今回の旅全体を、より良いものにしてくれた時間でした。

最後に

みちのく潮風トレイルをセクションで歩くのは、今回が2回目。前回も十分に楽しい旅でしたが、今回はそれを大きく上回る満足感がありました。アルプスなどの山域では、どうしてもルートがある程度固定されがちです。一方で、みちのく潮風トレイルは人里に近く、公共交通機関やホテル、民宿、キャンプ場なども点在しているため、行程の自由度が高いのが大きな魅力です。

今回歩いたルートは、漁港、荒々しいリアス式海岸、手掘りのトンネル、静かな森の道など、景色のバリエーションがとても豊かでした。次々と風景が切り替わっていくため、長い距離でも飽きることなく歩き続けることができます。地元の食べ物もおいしく、歩く道も面白い。トレイルとしての魅力だけでなく、旅としての楽しさもしっかり味わえるルートでした。ぜひみなさまにも、一度歩いていただきたいトレイルです。次は暑さが一段落した10月頃に、今回の続きからまた歩いてみようと思います。

 

今回のギアリスト

今回ご紹介したアイテムはコチラ⇓⇓

LiteAF / プリンテッドダイニーマ30Lカーブ フレームレス+アッパーサイドポケット

AXESQUIN modified / ヘリウム バイアスジップ スタンドジャケット

AXESQUIN modified / ヘリウムビッグパンツ

NOTACE / yama T1 M

 

なお、遠方でお店に足を運べない方でも画面右下のチャットサービスでお問合せいただければ、経験豊富なスタッフがサイズ感等のアドバイスさせていただきますので、こちらも合わせてご利用下さいませ。

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