【HYPERLITE MOUNTAIN GEAR NEW UNBOUND 40 レビュー】北アルプス縦走(室堂-黒部ダム)

こんにちは、スタッフ黒田です。
今回はHYPERLITE MOUNTAIN GEARから、素材や仕様を大きくアップデートして登場した「UNBOUND 40」を、3泊4日の北アルプス縦走で実際に使用してきました。
室堂をスタートし、五色ヶ原、薬師岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、水晶岳、赤牛岳を経て、読売新道から黒部ダムへ。長時間の稜線歩きから岩場、樹林帯、雨天まで、さまざまなコンディションで使用したからこそ見えてきたUNBOUND 40の特徴を、前モデルからのアップデートとあわせて紹介します。

Hyperlite Mountain Gear / NEW UNBOUND 40

Color : WHITE / BLACK / GRAY 

Size : S / M

UNBOUND 40は前モデルから何が変わった?

今回のアップデートでまず注目したいのが、メイン素材の変更です。
前モデルからの最大の変更点として、他の新しいコアパックと同様に「Woven Composite 3.9」を採用。さらに、旧モデルでは1本だったアルミステーが2本になり、荷物を入れた際の安定性が向上しています。それでいて重量は前モデルから約80g軽量化されています。

アルミステーは取り外し可能。荷物が少ない山行ではウエストベルトとあわせて取り外すことで、より軽量なセッティングにすることもできます。

新色としてGRAYが加わったのも今回のアップデートのポイント。


二重構造のフロントポケット

フロントポケットは上下に分かれており、収納するものによって使い分けることができます。上部は底まで続く深さのあるポケット。今回はレインウェア上下を収納しました。

下部は上部ポケットに重なるように配置された浅めのポケット。今回はエマージェンシーキットとエマージェンシーブランケットを収納。すぐに取り出したいものをザック本体とは別に管理できるため、行動中のアクセス性に優れています。また、上下それぞれのポケット口にはしっかりとパイピング処理が施されており、荷物を入れた際にも中身がこぼれ落ちにくい仕様になっています。


さまざまな用途に対応するボトムポケット

近年のULバックパックを象徴するディテールのひとつともいえるボトムポケット。行動食を入れるのが定番ですが、今回は行動食を左右のウエストベルトポケットに収納し、ボトムポケットをゴミ入れとして使用しました。ハイキング中に出たゴミをジップロックにまとめ、そのままボトムポケットへ。ザックを下ろさずにアクセスできるため、この使い方もかなり便利でした。HMGのラインナップにはボトムポケットを備えたモデルが複数ありますが、フレーム入りモデルでボトムポケットを備えているのはアンバウンドのみ。このディテールを重視する方にとっては、アンバウンド 40を選ぶ大きな理由のひとつになるでしょう。


ワイドになったショルダーストラップ

ショルダーストラップもアップデートされ、幅広の形状に変更されています。実際に荷物を入れて長時間歩いてみても肩への当たりが分散され、フィット感は良好。デイジーチェーンも標準装備されているため、ショルダーポーチやボトルポケットなどを取り付けることができ、使い方に合わせて拡張できます。


サイドコンプレッションもアップデート

サイドの構造も一新されています。コンプレッションを効かせやすくなったほか、コードの着脱も容易になりました。側面にはデイジーチェーンも配置され、カラビナなどを利用した外付けもしやすくなっています。


北アルプス3泊4日の縦走で実際に使ってみる

当初は南アルプスを約1週間縦走する予定でしたが、台風の影響を考慮して急遽計画を変更しました。

ルートは、室堂 → 五色ヶ原 → スゴ乗越 → 薬師岳 → 黒部五郎岳 → 三俣蓮華岳 → 鷲羽岳 → 水晶岳 → 赤牛岳 → 読売新道 → 奥黒部ヒュッテ → 黒部ダムという室堂から黒部ダムまでをぐるっと縦走するルート。

テント泊装備に加えて日数分の食料と水を携行し、4日間のうち3日は10時間を超える行動となりました。荷物を入れた状態での安定性、長時間背負った際の快適性、行動中のアクセス性、悪天候への対応、そしてテクニカルな登山道での取り回しなど、UNBOUND 40の性格を見るには、かなり良い条件の山行となりました。

DAY 1  室堂-五色ヶ原-スゴ乗越小屋

初日は室堂から五色ヶ原を経て、スゴ乗越小屋へ。日数分の食料に加えて水も多めに3Lを携行し、スタート時のパックウエイトは約10kg。食料と水を多く積んだ状態でも、2本のアルミステーとウエストベルトによる安定感は十分に感じられました。ここで印象的だったのが、UNBOUND 40の細身のシルエット。HMGの35L以上のバックパックの中でも縦長ですっきりとしたシルエットで、荷物をしっかり入れても横方向への張り出しが少ないのが特徴です。2本のアルミステーとウエストベルトによって荷重も安定し、10kg程度の荷物を入れた状態でも、歩行中にザックが大きく揺れるような感覚はありませんでした。

新宿から夜行バスで室堂へ。降り立つと、雲ひとつない見事な台風一過の空模様。これからの山行への期待が高まります。

程よく風もあり、気持ちの良い稜線歩きをしばし楽しみます。

五色ヶ原山荘へと続く木道。

シェルターは、ここ最近気に入って使っているツエルトを。決して快適とはいえませんが、軽量でさまざまな使い方ができるのがお気に入りのポイント。クラシックな佇まいで、テント場の景色によく馴染むところも気に入っています。

DAY2 スゴ乗越小屋-薬師岳-黒部五郎岳-黒部五郎小舎

2日目は薬師岳を越えて黒部五郎小舎へ。長時間歩くことで、ショルダーストラップやフレーム構造の違いも、より分かりやすくなってきます。幅広になったショルダーストラップは肩への当たりが比較的マイルドで、2本のアルミステーによる安定感も好印象。この日も10時間を超える行動となりましたが、ボトムポケットやウエストベルトポケットがあることでスムーズに補給でき、歩き続けるための収納配置がよく考えられていると感じました。

スゴ乗越から薬師岳までの稜線エリアは非常に歩きごたえがありました。

太郎平小屋から北ノ俣岳までは、のどかな風景が続く気持ちの良い道。
残念ながら黒部五郎岳はガスに包まれ、眺望には恵まれず。この日は黒部五郎小舎でテント泊しました。


DAY3 黒部五郎小舎-三俣蓮華岳-三俣山荘-鷲羽岳-水晶小屋

3日目は黒部五郎小舎から水晶小屋まで。全行程の中では最も余裕のある1日となりました。途中、三俣山荘でゆっくりと昼食をとり、前日の雨で濡れたツエルトやギアを乾かすなど、時間を気にせずのんびりと山を楽しむことができました。

道直しで訪れた三俣山荘と鷲羽岳。

水晶小屋から眺める裏銀座

なかなか予約を取ることのできない人気の水晶小屋ですが、出発直前に偶然空きが出て、泊まることができました。夕食に振る舞われるスパイスカレーは、小屋と縁の深いインドで修業した店主が営むお店の監修によるもの。山奥で滋味深いカレーを味わえる贅沢と、暖かい屋根の下で安心して眠れる山小屋泊のありがたさを感じます。

 

DAY4 水晶小屋-水晶岳-赤牛岳-読売新道-奥黒部ヒュッテ-黒部ダム

最終日は天候悪化を考慮して行程を短縮し、朝3時から行動を開始。赤牛岳からは、眼下に見える黒部湖へ向けて読売新道を一気に下っていきます。

読売新道は稜線だけでなく、岩場や木の根が続く樹林帯など、身体を大きく動かす場面も多いルートです。
こうした場所で特にメリットを感じたのが、UNBOUND 40のスリムな形状でした。

横方向への張り出しが少ないため、狭い樹林帯や岩場でも周囲にザックを引っ掛けにくく、取り回しは良好。また、2本のアルミステーによって荷物が安定するため、身体を大きく動かした際にもザックが振られる感覚は少なく感じました。 40Lクラスの収納力を確保しながら、大型ザックを背負っている感覚はできるだけ抑えたい。 UNBOUND 40の特徴である「容量と軽快さの両立」を、今回の山行で最も実感できた区間でした。

奥黒部ヒュッテから平ノ渡場までは、黒部川沿いの登山道を進みます。

斜面に設置された複数の木製梯子を上り下り。普段の登山ではなかなかお目にかかれない光景です。

途中、平ノ渡場から渡船で対岸へ。山行の最後まで変化に富んだルートを楽しむことができました。


最後に

今回、4日間のうち3日は10時間以上行動することになり、 UNBOUND 40をさまざまな状況で試すことができました。最も印象的だったのは、軽さだけを追求したバックパックではなく、「軽快に動くための安定性」まで考えられていること。細身のシルエットと2本のアルミステーによって、食料や水を十分に積んだ状態でもザックが身体に追従しやすく、長い稜線歩きから読売新道のようなテクニカルな下降まで軽快に動くことができました。

また、フロント・サイド・ウエスト・ボトムの各ポケットを使い分けることで、行動中に必要なものの多くをザック本体を開けずに取り出せます。一方で、単純な軽量性だけを求めるのであれば、よりシンプルなフレームレスパックという選択肢もあります。

UNBOUND 40の強みはむしろ、フレーム入りならではの安定性と40Lクラスの積載力を確保しながら、ULバックパックらしい軽快さやアクセス性を両立していることだと感じました。アルミステーとウエストベルトを取り外せるため、荷物量や山行スタイルに合わせて構成を変えられるのも魅力です。


アンバウンド 40はこんな人におすすめ

  • 40L前後の軽量なフレーム入りバックパックを探している
  • テント泊縦走でもできるだけ軽快に歩きたい
  • ボトムポケットを積極的に使いたい
  • 行動中のアクセス性を重視している
  • 1泊2日から数日間の縦走まで一つのザックで対応したい
  • 山行によってステーやウエストベルトを使い分けたい

今回のように数日間の縦走を軽快に歩きたい方はもちろん、用途別に使い分けやすいポケットや、ステー・ウエストベルトを取り外してセッティングを変更できる拡張性の高さもUNBOUND 40の魅力です。荷物量や山行スタイルに合わせて一つのバックパックを幅広く使いたい方にとって、非常に使い勝手の良いモデルだと感じました。

今回ご紹介したアイテムはコチラ⇓⇓

Hyperlite Mountain Gear / NEW UNBOUND 40

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