BAMBOO SHOOTS MOUNTAIN JOURNEY vol.19

Mountain Hardwear x Bamboo Shoots 

スノーボーダー・水間 大輔さんと行くミックスカルチャーな登山旅

 

 

「このウェアはあの人に着てほしいですね」

「バンブーシュート」ディレクターである甲斐のそんな一言から、今回の富山トリップが決定。

このウェアとは、「マウンテンハードウェア」と、NYブルックリンのアーティスト主導アパレルブランドである「エクストラ バイタミン」がコラボしたアイテムで、公式HPと直営店、そしてバンブーシュートだけで限定販売されるスペシャルなウェアです。

 

 

ミックスカルチャー感あるそんなウェアを着て欲しかった相手は、マウンテンハードウェアがサポートしているプロスノーボーダーの水間大輔さん。

だいぶ畑が違うけど、そもそもなんで知り合ったんでしょう?

「マウンテンハードウェアの周年イベントで『マウンテンハードウェイYeah♫』みたいな歌詞を水間さんが歌ってて、この人最高だなあって。あの曲、マウンテンハードウェアのテーマ曲にしたらいいんじゃないですかね(笑)」

その場で意気投合して「いつかがっつり飲みましょう!」 と、がっつり飲みながら約束した仲なのだそうです。

「彼の垣根を作らないキャラクターがすごく良いなと思っていて、このウェアを見たときに真っ先に顔が浮かんだんです。アウトドアブランドが作っているのに横ノリのテイストも入ってますからね」

 

 

 

富山が見渡せる高台にある、水間さんの自宅を訪れると「ようこそ!」と全笑顔の水間さんが登場。なんとも素敵な空気をまとった人です。

いつも不思議に思うんですが、甲斐自身はかなりクセ強めなのに、周りには水間さんのような良い空気の人が集まってくれるんですよね。これもある種の人徳なんでしょうか。

 

通されたギア部屋にはマウンテンハードウェアのアイテムがズラリ。さっそくギア好き同士、往年の名作などの話で盛り上がりますが、甲斐が机に置かれたブッダブランドのレコードに反応。

実は甲斐は無類の音楽好きでもあるんです。しかもジャンルは縦横無尽。ジャムバンドからヒップホップまで。実はトレードマークの長髪はヘビメタ由来だったりします。

一方、水間さんもスノーボーダーとしての顔だけでなく「スーパービーンズ」というバンドのメンバーでもあります。

「矢沢生まれ、ヒップホップ育ちなんです」と水間さんが言うと「俺はなんだろう。ヘビメタ生まれ、グレイトフル・デッド育ちかな」と甲斐が返します。

2人に共通するのはミックスカルチャー感。

さっきまでアウトドア談義をしていたかと思えば、いまはジャパニーズヒップホップ黎明期の話で盛り上がっています。

“だけ”に限定しない自由さが2人にはあります。

 

 

ひとしきり、ミックスカルチャー話で盛り上がったあとは、水間さん宅からクルマで10分ほどの尖山へ。標高559mの低山ですが、きれいな円錐形をしたシンボリックな姿をしています。

登山道はよく整備されていて、途中には沢沿いを歩く道もあり低山なのにバリエーションがある良い山です。水間さんもしょっちゅう訪れる、いわゆるホームマウンテン。

山に黄色のシャツがよく映えます。

「この総柄めちゃくちゃ良いですね。上がります」

「キノコとか花とか、ヒッピーっぽさもありますよね。リサイクルナイロン素材だからフィールドでも着られるし」

 

 

「ちなみに、この尖山、UFOの基地だっていう話もあって。頂上部分がパカーッと開いてUFO出てくるらしいですよ(笑)」

「まじ!? さっき寄ったコンビニの名前もサンダーバードだったし、そういうこと!?」

いやいや、それは雷鳥のほうだと思います。

 

 

開けた山頂からは、立山が一望できるそうなんですが、この日は残念ながら雲の中。ときおり真っ白な劔岳がチラッと顔を覗かせます。

2人といえば、景色もそこそこに、なにやら爆笑しています。

ほんと仲良いな。

 

 

 

先ほど話題にも出た立山のご当地コンビニ「サンダーバード」で買ってきたサンドイッチを甲斐が嬉しそうに取り出します。サンダーバードにはなかなか個性的なサンドイッチが揃っているんですが、甲斐が選んだのはタケノコの里&キノコの山を挟んだもの。

「バンブーシュート30周年はタケノコの里とコラボとかできないかな(笑)。水間さんは今後なにか企んでたりするんですか?」

「立山山麓スキー場で開催している「GOKURAKU BANKED SLALOM」という大会は今後も続けていきたいですね」

この大会は、水間さんが中心となって立ち上げたもので、競技性を追求するのではなく、ライブや板の試乗会などもありフェスのような雰囲気の大会。

「コースを簡単に設定してるから、子供でも楽しめるんです。競技性はスポーツにおいて大切ですが、そのもっと根っこにある“楽しい”という部分を伝えたいですね。あとは、海と山を繋ぐキャンプイベントもできないかなと思っています。テントもある総合アウトドアブランドって意外と少ないんですよね。マウンテンハードウェアは全部揃うじゃないですか」

「それ楽しそうですね。バンブーシュートの30周年と合わせてなにか一緒にできたら良いなあ」

 

 

「帰りはちょっと違うコース行きましょう」と水間さんが先行したのは、ロープが張られた激坂コース。

「ワイルドで楽しいね。こういう山好きです」

たしかに。往復で2時間程度ですが、凝縮感あるとても良い山でした。

 

 

さて、下山後は水間さんおすすめのラーメン屋さんへ。

富山の上市といえば、美味しい素麺で有名ですが、この「あざみ」は素麺屋さんが本気で作った中華そば専門店。手もみの中太麺が醤油ベースのスープに良く合います。

「出てきたときはけっこうすごい量だと思ったけど、意外とスルッと食べれちゃいますね」

食後は、すぐそばの大岩山日石寺で滝行を冷やかしてみたり、すっかり富山を満喫させてもらいました。

あ、ちなみに取材前日には水間さんアテンドで、富山の寿司と日本酒もきっちり堪能してます、はい。

 

 

 

旅の締めくくりは、立山を一望できる河川敷でのスケート。シャツとショートパンツのセットアップがストリート感あって合いまくりです。1枚の板を交代しながら乗っている姿は、まるで中学生のそれ。スケートカルチャーの話でも盛り上がっています。

「帰ったら、この板買っちゃいそうだなあ」

すっかりサーフスケートにハマって、そろそろ夕暮れ。河原で徐々に黄昏れる山を眺める2人。

 

 

「スノーボードの裾野を広げたいんですよね。たとえば出社する前に1時間だけでもパウダーを滑って、そのままスキー場でスーツに着替えて会社行くとか、そういうスタイルを提案できないかなと考えています。街と山が近い富山だったら十分できると思うんで、プロモーションムービーを撮る計画をしています」

「面白い。サーフィンだとそういう人けっこういますもんね。アメリカ西海岸の人とかって、波が良ければサーフィンするし、波がないならクライミングしようみたいな感じがありますよね。日本でもそういう人たちが増えてきても良いんじゃないかな」

「フィールド的には向いてますよね。特に富山は海と山がめちゃくちゃ近いんで、やりやすいと思います」

「春の立山でBC滑った後に、富山湾でサーフィンとかカッコ良い! やっぱり、いろいろ混ぜてやるのが楽しいよね」

「次はバックカントリーのスノーボードも混ぜちゃいます?」

「水間さんのガイドだったら行ってみたいかも」

「最後の最後で、立山全部見えましたね」

「また来たいなあ」

「ぜひ、剣沢で宴会しましょう!」

 

また遊ぼう、そう言って帰路に着く2人の後ろ姿はまるで放課後の友人のようでした。水間さんと甲斐。そしてマウンテンハードウェア。この3者のミックスはまだまだ始まったばかりです。

 

(商品クレジット)

ストライダーショートスリーブシャツ 9900

ストライダースイムショーツ 7150

 

 

(プロフィール)

みずま・だいすけ。1978年、富山県富山市生まれ。スノーボードハーフパイプの競技者として活躍したのち、地元立山エリアを中心にバックカントリーシーンで活動。ガイド業の傍ら、夢見るラインを求めて山奥へ足繁く通い、そのライディングを写真や映像を通し表現している。また、地元のローカルコミュニティを大切にしイベント運営をはじめ様々な活動を行い、スノーボードのコミュニティ育成に尽力するなど活躍の幅を広げている。

 

(スタッフクレジット)

Photo/Kosuke Kobayashi

Text/Takashi Sakurai