《 北アルプス5泊6日 上巻 》"3度目の正直"念願の伊藤新道を経て黒部源流部へ

こんにちは!
本日もバンブーシュートブログをご覧いただきありがとうございます。
先日、少し遅めのお盆休暇をいただき今夏最長5泊6日で北アルプス縦走へ行ってきました。
今回の計画は、信濃大町から伊藤新道を経て黒部源流部へ。
そこから黒部五郎岳、薬師岳を越えて最後は立山に降りよう!
ってな感じで、贅沢な北アルプスにドップリと浸かるプランで決行。

( 地図はYAMAPアプリより )
昨年、2度の計画も悪天候と降雪により断念した伊藤新道。
今回、念願叶って暑い日差しが照りつける最高のコンディションの中を歩くことができ、2日目・3日目には、昨年はじめて参加した三俣山荘の道直しプログラムに今年も参加。
そして4日目から、ボクだけ別行動で立山に向かって歩き出す,,,
そんな非常に充実した濃ゆ~い5泊6日を過ごしてきました。
まず今回のブログでは、前半パートとなる3日目までの様子をお届けします。
それでは早速どうぞ⇩⇩
【1日目】

新宿→信濃大町→高瀬ダム→湯俣山荘→(伊藤新道)→三俣山荘
まずは登山口である高瀬ダムへ。
バスタ新宿発の夜行バスで信濃大町に降り立ち、裏銀座登山バス、タクシーを乗り継いでいく。


今年の3月に発生した大規模な落石事故により、タクシーを途中下車して、落石箇所含む数キロを歩き、再度タクシーに乗車するというイレギュラーな運行体制となっていた。
このような状況下であっても、運行してくださるのは非常にありがたいことですね。

高瀬ダムに到着していよいよ山行開始。
と、その前に。
ここで今回のメンバーをご紹介!
今やお馴染み?の弊社T先輩の隣にもう一人。
なんと今回!とあるきっかけから東京は三鷹のULハイキング専門店《 ハイカーズデポ 》のオーナーである土屋さんと山行&道直しをご一緒させていただくことに!
⽇本にウルトラライトのスタイルを持ってきた、いわば日本UL界の⽗的存在である土屋さんとともに伊藤新道を歩く。



空を見上げれば予報に反して、これでもかという満天の青。
そこにクッキリと描かれる裏銀座の稜線。
目線を下げると空の青とはまた違った風合いの湯俣ブルー。
そして、眼前には土屋さん!
感動と少しの緊張を胸にダム沿いを遡上していく。


長い長いトンネルを抜け、ほぼほぼ平坦な舗装路と少しの山道を3時間ほど歩くと伊藤新道の玄関口である湯俣山荘に到着。
ここで伊藤新道を通行する際に必要な届出の提出と、伊藤新道内の情報を仕入れる。

湯俣山荘は伊藤新道の復活に合わせて、昨年秋に40年ぶりに営業を再開。
内観は山小屋というより、オシャレなカフェ&バーのような雰囲気が漂う◎
伊藤新道を登り切らずとも、天然記念物の噴湯丘などを見つつ第一吊り橋辺りまでを遊び尽くした後、湯俣山荘にゆっくり宿泊する,,,
なーんていう贅沢極まりないのんびりプランもしてみたいものです。

それでは、いよいよ念願の伊藤新道へ突入。
伊藤新道については、個人的に念願!三度目の正直!的なところが強く、書きたいことはそれはもう山のようにある。。
のですが、今年はすでにバンブースタッフの黒田が歩いた時の様子を詳しくブログに綴っているので、詳細についてはそちらのブログをご覧ください!
《雲ノ平 伊藤新道》3泊4日で行く北アルプス黄金ルート -三俣山荘・伊藤新道編-
このブログでは、写真で伊藤新道を語ることにしたいと思います。
( 全てスマホ撮影ですが,,, )











こうして改めて見返してみても、写真でさえ十分に感じる異世界感と独特なスケール感ですが、実際にその中に身を投じるとその何倍もの異様さに驚きました。
これは皆さんにも、ぜひとも五感をフル活用して体感していただきたい。
もちろん自身の経験値や装備と相談して、行けるところまで無理のない範囲での行動が前提ですが、一歩踏み入れるだけでもその片鱗は感じられるはず◎



こんなにコンディションが良い伊藤新道では、渡渉で腿まで水に浸るだけで終われるわけはなく。
浸かって泳いで飛び込んで。まぁはしゃぎまくりました(笑)
はしゃぎまくった後はもちろん腹が減る。
秘境飯に選んだのは、マウンテングルメラボの新作!
土屋さんもT先輩も舌鼓を打つ美味◎
美景美食。伊藤新道は最高のレストランだ!


(三俣山荘に向かって差込む後光)
終始テンションが高いまま、イイっすね!ヤベェっすね!最高っすね!最後の登り鬼畜っすね!なんて言ってるうちに三俣山荘に到着。
そして気が付けば午前中はともかく、午後からの雨予報すら跳ね返す異常事態。
これも土屋さんパワーなのか、、とボクの雨男が発動する気配は全く無く。
念願の伊藤新道は最後まで最高のコンディションで歩くことができ、あれよあれよという間にはしゃぎすぎた初日が終了。
【 2日目 】

"道直し"プログラム開始。
まず、"道直し"について少し触れます。
伊藤新道パートでも紹介した-スタッフ黒田のブログ-内でも触れていますが、三俣山荘が実践している『道直し』は、一般的な『登山道整備』と区別されています。
以下、-三俣山荘のインスタグラム-にポストされている内容を抜粋しています。
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三俣山荘では「登山道整備」という言葉と「道直し」を区別して使っています。
簡単に言えば「登山道整備 → 登山者のための歩道・階段等の整備」、「道直し → 美しい山の風景としての道と周辺植生の修復」という感じでしょうか。
この二つは似ていて非なるもののように思います。
つまり、前者が登山者ファーストで道を作るために自然にインパクトを与える整備だとすれば、後者は登山者が自然に与えて広がった傷を修復する作業という感じで、別のベクトルを持っているからです。
一般的にはどちらも「登山道整備」と呼ばれることが多いのですが、その中でも、より自然に寄り添った整備の方向性・考え方・方法があるのだということを知ってもらえたら。
そして、自然に寄り添った作業が、結果的には美しい山の風景をつくり、それを登山者が享受することにもつながると考えています。
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昨晩のうちに上記をさらに深掘った内容や昨年の復習を踏まえて、小屋の方々からオリエンテーションを受ける。
そのうえで作業に入るのでゴールがわかりやすく、スムーズに作業に移れました。

この日の作業場は、山荘のテント場の少し先。
荒廃が特に目立つ区画を石積みで修復していく作業を行いました。
できるかぎり素材は現地調達。
これも『道直し』で大切にしていることの一つ。
風景に馴染むように。数年で崩れてしまわないように。尚且つ登山者が自然と足を置けるように。
一つの岩を置くにしてもどの面をどうゆう向きで置こうか思考を繰り返す。
ちょうど良い岩が近くに無ければ、少し遠出してそれらしいものを探して運んでくる。
とてつもない労力がかかる作業です。
三俣山荘の若き職人ガクさんと一緒に担当した区画のビフォー&アフターがこちら⇓
- before -

- after -


ボクらが行った区画の他に、同時進行で各グループが前後にそれぞれ3~5mほど道直しを行い本日の作業を終えました。
この日は、小屋から近い場所での作業となったので昨年行った場所の確認は明日のお楽しみ。
小屋に戻って夕食をいただき、日中の道直しの振り返り会を行って2日目が終了。
昨年の作業場が1年経ってどのように変化しているのか、実際に見るのを楽しみに就寝。
【 3日目 】

この日は、小屋から40分ほど離れた三俣蓮華岳直下での作業。
昨年整備を行った場所よりも小屋から離れていて、工具を持って行くだけでも一苦労の場所です。
それぞれ荷物を担ぎ、もちろん背負子をフル活用。
途中、昨年に作業を行った箇所を見学。


昨年設置した源五郎ネットに石を詰めて巻き上げたもの(ここでは”大丸”と呼ばれる)が機能して、土留めの役割をしっかり果たしてくれていていた。
我が子が活躍する姿見る親というのは、こんな気分なんだろうか。
なんだか少し誇らしい気持ちになる。

今年のシーズン入って、別のボランティアさんの手によって二重に大丸が設置されていた箇所も◎
これで来年にはもう一段階高くまで、たくさんの砂を溜めてくれていることだろう。


この日の作業は、昨日のような石積みではなく土留め作業がメイン。
放っておくと雨天の流水や人の踏圧でドンドンと削れていってしまう箇所に対して、垂直方向に丸太を咬ませていく。
その丸太を軸として、その上にプール状に石や土砂を詰めていく。
こうすることで、U字状に削れはじめていた表層をフラットに持ち上げ、水の流れを分散させることができるそうだ。
この日のビフォー&アウターがこちら⇓
- before -

- after -

この区画の道直しにも丸一日の時間を要して、本日の作業が終了。
明日はこの区画よりもさらにその先。
この日の現場よりも横に広く荒廃している箇所の道直しになるそう。
ボクは皆さんに我が儘を聞いてもらって、明日からは立山に向けて単独行動。
今日でいったんボクの道直しプログラムは終了となった。
【 4日目 】


目を覚ますと、目が眩むほどのド快晴。
慣れない大晴天に気分は弾み、勇気凛々、元気溌剌、天気抜群、意気揚々!オニギリ持って準備完了!
でも、そんな気分とは裏腹になんだか名残惜しさも込み上げてきて、、
これ以上ない縦走日和やというのに、ヌルっと起きてダラっと準備をして、結局8時ごろまでウダウダとゆっくりまったり(笑)

ようやく小屋の皆さんや土屋さんをはじめ、本日も作業を行うメンバーに見送られ、頬を伝う大粒の涙を拭いながら一人立山に向けて歩を向けたのでした。
下巻につづく。
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-大田-
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